ブルームーン男爵

ゴジラ-1.0のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.9
ゴジラ映画ってもういくつも出ているし、あまり期待していなかったが、レビュワーさんの評価が高かったので観てきた。動画配信でも良いかなと思ったが、劇場で観るべきという感想が多かったので映画館へ行ってきた。ちと奮発して歌舞伎町の109シネマズプレミアムの270度パノラマ「ScreenX」で観賞。

もうゴジラの迫力が凄過ぎる。「おお!」と声が出そうになるレベル。結構、ゴジラのシーンは”怖い”って感じるレベルで、大人でも大満足なクオリティ。「それは無理あるだろう」という展開もあるが、フィクションなのでご愛敬。

そして全体的に山崎監督の過去の作品の影響が見て取れる。なんとなく海のシーンは「海賊とよばれた男」感があり、特攻隊のくだりは「永遠の0」感があり、復興の中の市井の人の暖かさは「ALWAYS 三丁目の夕日」風。そこにゴジラが足された感じ。

ただ山崎監督特有の男の熱いドラマやら、臭い展開や台詞、大げさな演技が個人的に趣味ではなく、そこはハマれず。。また山崎監督の思想なんだろうけど、戦前日本の社会風刺がストレート過ぎて、あまり個人的には好きになれない。メッセージも映画の流れに溶け込ませればいいのに、出演者が突然スピーチし始めて、すごい分かりやすい言語でシンプルに表現するので、とても浅く感じる。その結果、また観客の思考の余地がなくなり、映画特有の文脈を読む面白さがなく、やや興覚めしてしまう。

ただ気になる点を上回るゴジラのド迫力さに大満足できたので、個人的には高スコア。もう一度劇場で観たいぐらい。