ゆめちん

オットーという男のゆめちんのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.0
オットーという男
 
オリジナルのスウェーデンで映画化された "幸せなひとりぼっち" も映画館で鑑賞。本作はそのハリウッド版リメイクで、しかも主演がトム・ハンクスということで上映前から楽しみに。
 
不機嫌な態度や厳格すぎる言動で町の人々にけむたがられているオットー。実は最愛の妻に先立たれ、仕事も失い、孤独と絶望に苛まれていた。そんなある日、向かいの家に陽気な女性マリソルとその家族が引っ越してくる。
 
内容的には "幸せなひとりぼっち" とほぼ同じで、オリジナル版の脚本を忠実に再現したという印象。なので心温まる話なのは変わりなく、分かっていてもやはり感動してしまう。
 
そんな中、オットーのアメ車に対する拘りやSNSを駆使する展開、教師だった妻の元生徒との交流など、オリジナルから脚色された部分の巧妙さが際立った作品になっている。
 
合間に挟まれる回想シーンから、過去に何があったのか少しずつ明かされると、オットーに感情移入せずにはいられない。
そんな彼に優しく寄り添ってくれるのが、陽気なマリソルをはじめとする周囲の人々。彼女たちが特別優しいのではなく、オットーの人柄が周囲の人々を惹きつけるのだと、マリソルの子供が描いた絵が語っていた。

名優トム・ハンクスの抜群の安定感。脇を固める俳優陣も皆はまり役で記憶に残る演技を披露するも、本作の助演賞は何と言ってもあの "猫" だろう。
ゆめちん

ゆめちん