Pam

おやすみ オポチュニティのPamのレビュー・感想・評価

おやすみ オポチュニティ(2022年製作の映画)
4.1
リアル「宇宙兄弟」ならぬ、リアル宇宙ロボット「オポチュニティ」と双子の姉スピリッツのお話。90日だけの期限予定の火星ロボット探索活動が幸運と熱意のおかげで15年間も続いたその記録。

年をとると、記憶がなくなったり、体力じたいも弱ってくる。

送られてくる写真だけではものたりずに、アームの危険を犯してオポチュニティへの自撮りを試みるサイエンスチーム。もうみんなが地上のチームがもうみんな15年も続くプロジェクトに仲間というか愛情というか家族のような感情をもちだしてしまう。なんなんだろう。この人間ぽさ。これこそよく手塚治虫が描いていた近未来社会っぽい。

ただのドキュメンタリーになるかと思ったら、めちゃくちゃいい味付け。誰だと思ったらスピルバーグの会社とWiki情報。あああああ。それだけでなんですか得意のこの演出で、観客のハートどっきゅん。このシェフ研究者さんが最初は若者なのにだんだんいい感じの初老教授になっていくんですけど。この人いつもガッツポーズしてなんか憎めない。

あと宇宙へ送られている人たちへ毎朝歌を送るというおもしろい習慣もなんとも楽観的なアメリカらしいね。その時の心情にあった歌を送るだなんて洒落てる。弱ってきたら、Wham!のWakeUPとか、とりあえず、選曲がサイエンティストの選曲で、ポップ音楽の好きそうな人じゃないんだけど、それがとても人が良さそうでよかった。研究者はあんな感じ。それでいい。音楽のチョイスにタランティーノじゃないんだから、「お前これ知ってるか?」要素は一切ない。研究者ってそうなんだよー!!!😁日本のチームならラジオ体操流しそうだねw

ローバーが、次世代のパーサービエンスへと続く、NASAの歴史。

そんなNASAも今やイーロン・マスクの助けを借りて存在し続けている。時代は変わったでも、NASAってやっぱり子供の憧れだね。そして。

めちゃくちゃアメリカの良いところ。まだまだ残ってるよね。なんか、アメリカの良心だわ。わざととは思うけど、研究者もしっかり多様性がでてるし、高校生で見学に来てた子が研究者になってたり、アメリカの研究者の層の厚さを伺わせている。しかも女性ばっかりが中心になってるところは現実とは違うかもしれないが、それでもいい。私はこれを支持する。

いいドキュメンタリーだった。インターステラーとかコンタクトとかのSFものとか科学者ものにいつも弱いわたしなので点数は甘め。
これは高校生みんなにみせたいドキュ。
Pam

Pam