HiromiA

TOCKA [タスカー]のHiromiAのレビュー・感想・評価

TOCKA [タスカー](2022年製作の映画)
3.5
 実際にあった嘱託殺人事件をもとにしているということでしたが、この映画ではことごとく失敗し、最後は偶然トラックに撥ねられてめでたく亡くなるという筋書きでした。人を殺すってその後の人生に大きなトラウマを残しそうだし、相手が覚悟しているとはいえ実行することはかなり難しいだろう。事故を装ってといっても即死じゃないと本作のように助けを呼んじゃうかもね。全体的に重くて暗いんだけど、轢こうとしてもできなかったり事故を装ったりするシーンはまるでコメディの様でした。それにしても冷凍してある妻を、ちゃんとしようよといってどこかにただ埋めちゃうのはちゃんとしていない気がします。そのまま冷凍庫に置いておき、谷川の死後見つかるようにすればちゃんとお墓に入れたんじゃないのかなあ。自殺の証拠を残しておけば、死んだ谷川の罪状は死体遺棄だけで済んだんじゃないのかなあ。そうなると被疑者死亡で送検されても不起訴になったかも。北海道は外に石油タンクが設置されていてそこから室内へ配管されて石油が暖房装置や給湯装置に供給され、冬は締め切っていて外の音も聞こえづらいだろうしああいう石油泥棒がまかり通るんだろうなあ。生きる理由はないが死ぬ理由があるというセリフが印象的だったけど、生きる理由を持っている人ってそんなに多くはいない気がする。皆死ぬ理由がないので生き延びているんでしょうかねえ。でもよくよく考えると生きる理由だってあるんじゃないのかなあ。生きる理由についてももっと踏み込んでほしかった。
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