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To Leslie トゥ・レスリーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
3.5
主演が凄い!悲惨なほどに痛々しくもリアル

映画になるような人生じゃなくても落ちても堕ちても生きてさえいれば自分の意志次第で、"いい人生"は手に届くものになるかも…?更生への足掛けは助ける方も諦めないことが肝心か。
よくある質問 :「宝くじで○○万円当てたらどうする?」家を買うとか、世界一周するとか、貯金するとか…人生を変える金額=19万ドルもの大金を飲み潰してはあらゆるチャンスを棒に振り、息子を置き去りにして見捨てたシングルマザー。つかめたはずの未来"いい人生"があったのに、それが現実と横たわる。何度手を差し伸べられようとも自ら投げ捨てては、ピンクのスーツケースと旅をする酒浸りアルコール依存症。かつて"宝くじを当てた娘"から、息子にも見捨てられたアル中女の帰省もの。
人の親切心を無下にし続けるヤドカリのホーム探し。言い訳タラタラ隙あらば金を盗んでは酒を飲み、見つかったり見切られたりすると厚かましくも逆ギレ逆上する、そんな本当に傍迷惑で同情のしようもない、"自業自得だ"とさえ思われて決して観客から好かれないであろう(だからこそ一部はそこに自らを見出し共感できるかも)このヤバい主人公を熱演するアンドレア・ライズボロー。出演作で毎度強烈なアリソン・ジャネイとも張り合う?ヤバい空気を醸し出すだけでなくちゃんと生活があって、微妙なニュアンスも伝える。
"再生の物語"とはよく言ったもので、再生するためには一度壊れなくちゃいけない。その点で、本作はとことんブチ壊れていた居場所探し。何度も何度もスクラップしてスローアウェイして。人間の弱さをここぞと体現するように他の誰でもなく自分のせいで、家族も誰も口を聞いてくれないクソにクソが積み重なる人生。人生はファンタジーじゃないから、うまくいかなくなると無性に飲みたくもなる…けど、今度こそはもう逃げない。私は確かにここにいる。

"哀れな成れの果て"「幸運の訪れに気づかないバカもいる」「部屋とわずかな金で雇われた」「みんな映画みたいな人生を求める」What are you gonna? What are you gonna do? わかるぞ「私はクズ女じゃないと言って」なぜわめく?「なぜ私に優しいの?」聞かなくたって分かるはずだろ LEE'S DINER

♪Are You Sure Hank Done It This Way/ウェイロン・ジェニングス
Are You Sure/ウィリー・ネルソン
Hare Krsna Mantra (2010 - Remaster)
Angels Are Falling/パティ・グリフィン
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