To Leslie トゥ・レスリー
テキサス州に暮らすシングルマザーのレスリーは、宝くじで大金を手にするが全て酒に消えてしまう。それから6年後、行くあてがなくなった彼女は、疎遠になっていた息子を頼るが、酒が止められず愛想を尽かされてしまう。
アンドレア・ライズボローのオスカー主演女優賞ノミネートで注目された本作。まさに彼女が体当たりの演技を披露し、ノミネートも納得。アルコール依存症から抜け出せず、息子との信頼も築けない駄目な母親の苦闘と再起を見事に体現。
あえて過去の出来事を具体的に説明せず、観客の想像に委ねる脚本もなかなか秀悦。人生において自ら間違った選択ばかりをしてきたであろう主人公が、大金を手にしたことでどのようになったかは容易に想像がつく。
アンドレア・ライズボローの陰に隠れたが、アリソン・ジャネイのまた雰囲気の違う憎まれ役を演じ、さすがの存在感でラストを締め括る。
観終わると、過ちを責めるよりも根気よく手を差し伸べることの大切さを痛感し、素直に感動。
欲を言えば、もう少し立ち直るきっかけに説得力が欲しかったのと、恋愛要素は不要に思えた。