スワヒリ亭こゆう

To Leslie トゥ・レスリーのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
4.5
アンドレア・ライズボローの演技が絶賛されていて、あらすじを見て面白そうだなと思い、映画館へ。

そのあらすじですが簡潔に書くと、宝くじを当てた女性・レスリーが、その後酒に溺れてお金も無くなり人生どん底になった女性の話です。

レスリー役のアンドレア・ライズボローの演技は確かに素晴らしくて、彼女の名前で画像検索すると余計に凄さが分かります。役が憑依している感じでしたからね。
レスリーはシングルマザーで息子がいるんです。
自立してどこかの都会で働いている。
アパートを追い出され一文無しになったレスリーがその息子を訪ねていくが、酒をやめられなくて、またも息子から家を追い出されて昔レスリーが住んでいた町の旧友ダッチとナンシーに預けられる。
で、この旧友はめちゃくちゃ嫌だけど仕方なく面倒見始めるんです。恐らく宝くじ当たった時にレスリーにたかったりした引け目もあるんでしょうね。
レスリーが宝くじに当たってどうやって遣ったかは、ほとんど描写されないんです。
宝くじに当たり19万ドルを手にして喜んでるシーンはあるだけ。
その後のレスリーはナンシー達からバカにされ蔑まれてる様子で窺い知る事が出来るんです。
酒に溺れてまたしてもナンシー達から追い出されるレスリー。
クソみたいな人生の底の底に…
そんなレスリーに助けを求めるのがモーテルで働くスウィーニー。
この出会いがレスリーの人生をゆっくりと動かしていくんですね。

このスウィーニー役のマーク・マロンという役者もとても良かったです。色んな映画に出てるみたいですけど、よく知らない役者でした。それはアンドレア・ライズボローにも言える事なんですけど。
スウィーニーのお人好しな所が映画の陽陰で云うと陽になっていてレスリーの味方になってくれる安心材料になってます。

ストーリーは普遍的な話なので、凡そラストは想像出来る人が沢山いると思うんです。
で、予想だったという感想を述べる人も沢山います。
だけども、普遍的なストーリーにレスリーやスウィーニー、ナンシーといったキャラクターが乗っかりまたそれらの役を完璧に演じている役者がいる。
スクリーンを通して彼らの人生を観れる事により、感動して僕は泣けましたね。
物凄く涙腺が熱くなるのが分かるぐらい良い映画だと思います。
ストーリーに特別なオチは要らなくて、寧ろ普遍的な話をベースにしてるから、レスリーというどうしようもないアル中がとんでもなく感動を呼ぶんだと思います。
僕は大好きなになった映画が増えて、とても嬉しか思います。
めちゃくちゃ良かったです!