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パラダイス/半島のbluetokyoのレビュー・感想・評価

パラダイス/半島(2023年製作の映画)
2.9
映画がつまらないわけではないけど、最初の方は寝落ちしてしまったなあ。最近、連日の猛暑で疲れているのだ。映画世界も猛暑みたいで、シンクロしてしまう。クランクインは昨年の夏らしい。そう言えば、去年の夏も暑かったなあ。そんななか、主人公の日吉真英は、ひたすら農作業をやっている。ちなみに、半島と言うのは伊豆半島なんだろうな。

農作業のかなりの比重を占めるのが、どうも、雑草取りみたいだ。とすると、有機農業の可能性が高い。農家というわけではないから、まあ、作るとすれば、有機野菜だよな。たぶん、自分が食べるのだし、余ったら、知人とかに分けてもいるのだろう。強い日差しのもと、ひたすら農作業に没頭するというのも、ある種の贅沢かもしれない。刈り取った雑草を掘った穴に入れているのも、腐葉土を作るためなんだろうな。

居候みたいな友人、鈴木竜。どんくさそうで、ノロノロしていて、この男の方が農作業をやっていそうだが、農作業には関心がない。関心がないというよりも、それどころではないのだろう。痛々しいほどに、切羽詰まった感じ。余裕ありまくりの真英と対照的なのだ。ちょくちょくやって来て、やはり居候みたいな姪の山下夕起。つねに現状の変化を望んでいる。余裕で現状維持の真英とは、その点で対照的。

畑のある真英の家が、世間とは隔絶していそうで、微妙に隔絶していないところがいいのだろう。東京からもそれほど遠いというわけではない(伊豆半島だからね)。微妙な距離感がいいのだ。警察署だかに行った帰りに、俳句ができてしまう距離感。

警察に行くということになって、まず、芸能事務所の社長のところに相談に行くというのが、やや屈折している。でも、もう、出演予定作は、無期延期になっただろうから、やはり、静かな農作業は続けられそうだ。

霜の降りるまで、いろんな作物を輪作しているうちに、1年はあっという間に過ぎてしまう、と真英のように言ってみたいものだ。煩わしい世間に関わるよりも、畑に関わる方がいいよな。それにしてもロン、だっけ、忽然と消えた犬はなんだろうか。今日も暑そうだなあ、などとつぶやきながら、真英は、雑草取りにいそしんでいるのだろうな。
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