ゆめちん

こんにちは、母さんのゆめちんのレビュー・感想・評価

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)
3.5
こんにちは、母さん
 
"吉永小百合" を久しぶりにスクリーンで観ましたが、相変わらず美しくてチャーミングでした。
 
大企業の人事部長として気苦労が絶えず、家庭内でも様々な問題を抱える昭夫は、不意に母・福江が暮らす下町の実家を訪ねる。久々に会った母の様子は以前と違い、華やかな出で立ちで生き生きと暮らしていた。
 
日常の些細な出来事を丁寧に積み重ね、ドラマチックな演出よりも、登場人物に温かく寄り添うことを優先した作り。自然に物語の世界に入り込め、終始居心地の良さを感じながら鑑賞できた。
 
吉永小百合と大泉洋の掛け合いが心地よく、永野芽郁も含めた3世代の組み合わせも相性抜群。劇中ではお互いがそれぞれの魅力を引き出し合い、相乗効果を発揮。
 
"物語の初めから祖母" 役を演じた吉永小百合、彼女を実年齢相応のキャラクターにしたというのも懸命な判断。山田監督の作品に込めるメッセージは強いものの、メインの物語を邪魔せず主張し過ぎないのも好印象。ローアングルのカメラや道具の配置など、小津安二郎を意識しているのは明らか。
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