きょん

父は憶えているのきょんのレビュー・感想・評価

父は憶えている(2022年製作の映画)
4.2
オランダ・キルギス作品。キルギス作品は初めて観たかも!ロシアに出稼ぎに行き、死んだと思われた男が23年ぶりに帰ってきたが、記憶をなくしていて…

とても渋い作品。でも芯は骨太。アクタン・アリム・クバト監督・主演。環境問題や宗教問題や変わっていく生活様式などいろいろな変遷を23年ぶりに帰郷した男、ザールクが記憶も言葉もなしにその行動が語る。

迎える息子夫婦の息子を実の子供、ミルラン・アブディカリコフが演じる。ほんとに息子は父親思いで、今は別の男の妻、ウムスナイ(タアライカン・アバゾヴァ)は悲しみの中で暮らしている。ザールクの昔馴染みは酔っ払いながら車の運転をしている。

村中のゴミをひたすら拾い続けるザールク、その中である林の梢が出てくる。ウムスナイとの思い出の散歩道だ。そのシーンは何カットかあるのだが、「PERFECT DAYS」のある公園の梢を思い出す。そして、変わらず固い絆で結ばれた家族の愛が描かれていた。全く話の内容は違えども「枯れ葉」と同じくらいの衝撃を受けた作品だった。観てよかった。
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