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グランギニョールのkanacoのレビュー・感想・評価

グランギニョール(2022年製作の映画)
2.7
スプラッター×若手イケメン俳優のBLという体当たりマンハント系ホラー。社会からの連絡手段が隔絶された孤島にある高校を舞台に謎の怪人により残酷演劇“グランギニョール”研究会の部員が次々殺されていく。設定だけでもお腹いっぱい😂とってつけたようなBLとやる気に満ちた血飛沫スプラッシュ!!(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆

問題児が集められた孤島の学校に転入してきた穂村イツキ。校舎内で迷った際にたまたま辿りついた残酷演劇“グランギニョール”研究会と縁があり、入学と同時に成り行きで入部することになる。現在夏休みのため、校内にいるのは研究会のメンバーとクラブ顧問の女教師、料理長、用務員、そしてイツキと同じ日に島にやってきた新任の女性教師のみ。癖の強い怪しい人物たちばかりで戸惑うイツキ。そのうえ まるで“グランギニョール”のようなに残酷な連続殺人事件が発生。拷問器具のような鞭を持った怪人が現れ1人また1人と犠牲になっていく。イツキは脱出する術のないこの島、そして殺人鬼から逃げきることができるのか!?

❶血飛沫スプラッター×若手イケメン俳優のBLという体当たりマンハント系ホラー

なんか、失敗しても良いから(失礼)、見たことがないジャンルで、よく分からない奇抜な映画が見たいな―と思って何となく選択。若手のイケメン俳優さんたちがかなり体を張る、バシャバシャ血飛沫スプラッターホラー×お相手が手当たり次第なBLです🤔

情報はおろか社会からの連絡手段すら与えられない隔絶された孤島にある高校。そこに通うのは、夏休みに帰省しても誰も喜んでくれないような種類の生徒たち。一見は大人しい優等生っぽい見た目なのに、何かしら問題を起こし親に見放された高校生たちが編入する学校らしい。女子がいないのは男子校だからなのか、夏休みに校舎に残っているのが残酷演劇“グランギニョール”研究会の部員が全員男だからというだけなのかは分からない…。

そんな夏休み期間中の校内で起きる連続殺人事件。拷問器具みたいな鞭を持つ謎の怪人が現れて、次々と部員たちを血祭にあげていくマンハント系。前半イメージとしては、金田一少年の事件簿ドラマの高校で起きる事件みたいなテンションかつ、探偵がいなくてミステリーもなく、ひたすら殺されて逃げ続ける感じです。後半からは真相が判明しますが「おいおい、なんか言い始めたぞ😅」みたいなライトな筋書きが展開されていきます。

端正で中性的な容姿の男の子たちが集まったグランギニョール研究会のメンバーは拗らせてるキャラクターばかり。お遊びで男子生徒に手を出している明らかに変態臭い料理長(男)や、銀髪ロンゲのヤバい用務員、女性教師も鞭を常備という癖強感。孤島に閉じ込められ娯楽もないからなのか、みんな中二病感溢れる残虐な趣味や、男の子同士の恋愛に没頭中。部長なんてグランギニョールの演劇が好きすぎて、何も起きていない序盤から「(劇中と)どちらの方が現実の世界か分かんなくなってきたよネ」とか宣う始末。

ちなみに、グランギニョールとは、フランスの大衆劇で、コメディと恐怖心をそそるドラマとを合わせた一種の恐怖劇(コトバンクより)。グランギニョール研究会はその脚本を自分たちで書いて芝居をしています。硫酸の代わりとして目にお酢をかけたりして(止めとけ)。

そんな学校ですが、信条は「互いを信じ助け合う」だそうです。

もう、設定だけでお腹がいっぱいだよー😂

❷メインカプすらよく分からない、とってつけたようなBL(濡れ場はちょっとあるよ)

洋画の同性愛系の映画は見たことがあれど、日本のBL系の映画を見たことがなかったので、こういう感じがデフォルトなのかは分かりませんが、たぶん違うのでしょう。美少年と血飛沫とBL…つまりはエロ×グロ×同性愛とくれば、耽美系にもなりそうなものですが、そこら辺は=(イコール)とはならないようです。もっとライトで中学・高校生くらいの時に陥りそうな厨二病感に溢れています。

色気も若さや中性的な容姿からの直接的に見せる感じで、醸すような余韻はなし。序盤で突然おっぱじめますので体張っているな~と思いましが、それ以降はどの組み合わせでも唐突にキスするくらい。何??どういうテンションで???理由構わず興奮したらするキスタイプ??ってくらい謎でした🙄

メインカプすらよく分からん!全員初見の俳優さんだったのでキャラクターの容姿が似ていて特徴が薄く、誰がどのキャラか覚えきれなかった。見終わった後でも3人くらい区別ついてない。キャラクター設定だけ見ればけっこうライトなマンガによくあるような特徴ある構成メンバーなのですけどね。その点では求められるツボは抑えてる気はする。

❸BLより過剰な、チープだけどやる気に満ちた血飛沫バシャバシャ・スプラッシュ

その分、血飛沫スプラッターはもう、チープでリアルさはなくても「勢いよくやったるでー!」というヤル気を感じます。序盤は「血を出しとけば良いってもんじゃないぞ!」という気分になり、スプラッター部分もイマイチかな…と思いながら見ていました。料理長のウィンクなんて、もうギャグじゃん、ってゲンナリしちゃったし…。

しかし、後半に向けて若い男の子たちが血バッシャバシャしてきたら、だんだん笑けてきました。最終的には声だして笑っていた私がいる🤣特に、新任教師の若い女の子がいるのですが、この娘が男性諸君を差し置いて誰よりもポテンシャル高くて行動派、怪人に猪突猛進していくので愉快になっちゃった🤣🤣

ゴア描写がチープで雑なのは確かなのですが、舞台が日本で高校生たちの血や内臓が想像よりも飛び出したからか、普段の比較的正統派なゴア・スプラッターを見ている時でも問題がない “吐き気”が…。どう考えても他作品の方が過激スプラッターなのに、なぜかこの作品の方が耐えられず🤔2回くらい嗚咽しちゃいました…。なんでだろ(具合悪かったのか)🙄❓

🐝💦「エロ×グロ×同性愛=耽美みたいな世界観なら分かりますが、もっと直情的なガチガチスプラッター×BLだったので、これって視聴者のメインターゲットの幅狭くない?かなり趣向が偏ってない??と制作されたことに謎に心配になった作品でした。まぁでも、人の趣味は幅広いし、どこかに重めの需要があるのでしょう!😀✨」
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