いままでエドワード・ヤンの映画はあまりハマらなかったのですが、これは初めて好きになった作品。
大都会、台北で経営難に陥るモーリーと同僚で親友のチチを主軸に、男女10人による色とりどりな群像劇。
完全に台湾でウディ・アレンをやったような作品。台北の『マンハッタン』、『ハンナとその姉妹』
キャラクターみんな愛らしい❗
モーリーとチチ、モーリーの婚約者アキン、チチの彼氏ミン、後輩のフォン、アキンの親友ラリー、芸術家バーディ、作家のモーリーの義兄。
全員が深く浅い関係で成り立っていたのだが、モーリーとチチの関係が悪化してそれぞれがぐちゃぐちゃになっていく。
そのヘンテコっぷりは爆笑です!スタジオ内でアキンとバーディが喧嘩したりして。
あ、人間は深い関係のようで、実は浅いのだと。浅いけど深い関係と偽って生きているのだと分かります。そして、今の時代のブロック機能のように簡単に捨てることができる。それをエドワード・ヤンは易々とやってしまう。
後半は違う人同士の関係が構築していき新たなドラマが生まれます。この辺のキャラクターの回収の仕方がうまい!失ったもの同士が再生していく感じ。チチとモーリーの義兄だったり、アキンとバーディのアシスタントの女の子だったり。
それで元通りに復元してもいます。
最後のエレベーターシーンも良かった。
エドワード・ヤンは都会と人間を描く。そこに居る人間たちはドロドロしてなくて純粋に見えてくる。人生は光と希望だと劇中にセリフがあるが、そう見えていたのだと理解できます。
とても良い映画でした!