Sスピルバーグ監督の自伝的映画。
実話ベースだから家族や級友との関係はなかなか上手くいかないし、巨匠の名から期待するような派手な展開もない。けれど小さなエピソードの一つ一つが、少年の映画作りの糧となっていくのが分かる。
エキセントリックな母と子供たちとで、竜巻を追いかけるシーンが好きでした。
一家の団欒を映した動画の編集中に、母の秘密に気付いてしまったり。新居のお披露目で、親友のように振る舞いおどける父の哀しさだったり(彼はベニーになりたかった？)。
映像には残酷な一面もあって、知りたくなかった真実を暴いてしまう。
一方で映像は、どんな嘘だってつける。編集次第で、いじめっ子を虚像のヒーローに仕立てたり、逆に貶めたり。
嘘をつけるからこそ、映画の中では神のごとく夢の世界を作り出せる。両親のエゴのため壊れた家族、ユダヤ人蔑視によるいじめetc. 多くの悲しみを経験してきたあの少年だからこそ。
ラストはふふっと笑ってしまいました。
「地平線はどこにある？」からのカメラワークが、憎らしい程にお上手！
