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フェイブルマンズのskmoviesのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.3
嘘も真実も映し出す映画に魅了され
その夢を追い求める青年の物語。

自分が初めて観た映画はなんだっただろう。
でもその映画を観ていなければ
今も映画を観続けてはいない。

サム(スピルバーグ)のように
映画を作るまでは行かなくても
初めて映画を観た衝撃って
それだけ大きかったんだなあ☺️

映画に出会えて良かったと
感じさせてくれた作品。

映画が好きな理由はいろいろあるけど
自分が知らない世界や価値観を見せてくれて
想像力や許容を広げてくれるところが好き。

夢や家族の板挟みになったり
結束力ある家族が離れ離れになったり
理解者である母の行動に
理解できなくなったり。

真実は時おり、作り話よりも辛く重く
理解し難いことが起こる。

ミシェル・ウィリアムズが素晴らしかった。
才能ややりたいことがなくても
ミッツィのように自分らしくありたいと
いう気持ちは共感できるので
どれだけ家族を愛していても
自分らしくいられないことへの
焦燥感や切なさは辛くてたまらないはず。

お父さんは母思いだし、
パニック障害を起こすサムの対応が
手慣れていたのも
ミッツィへの対処を
これまでしていたからだろうし、
忍耐強く優しい。
でも何があっても家族を犠牲にしても
仕事は諦められない意志の強さはある。

冒頭のサムへの映画の説明から
2人の考え方は全く異なるのが
わかりやすくてよかった。

でも2人とも生き方は似てる。
追い求めるものは手放せない。
そのためには家族の犠牲も厭わない。

お父さんもおじさんも
母に似ているサムなら母を癒せる、守れると
それぞれの形で思いを託しているのが
印象的だった。

全体的に切ないメロディーが続いて
最後だけ他の作品にも感じる
ジョン・ウィリアムズの
明るいメロディーになったのもよかった。

サム(スピルバーグ)にとって
未来は明るいのだなと感じられて安心したし
ラスト、地平線が下になるように
カメラを直すのはチャーミングだった!!

サーカスおじさんは
家族と芸術は相容れないといったし、
サムのお父さんとお母さんも
家族を手放したわけだけど
サムは中庸して生きていく感じがした。

自分の知らない価値観を知っていく日々を
ドキュメンタリーとして撮っていく中で
想像力や許容を広げていけたからだと思う。

バビロンは映画好きが観るべき映画!と
言われているようだけど
私はフェイブルマンズも
映画好きが観るべき映画だと思う😊

こんな映画がもっともっと増えて
映画好きがもっと増えていきますように。
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