Pam

西部戦線異状なしのPamのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.6
戦争映画で一番多く見られるのは勝者視線であって、決してドイツや日本が戦争映画を作ることはなぜか控えられていた気がする。一般的に敗者に戦争を語る資格さえ与えていないようだった世界が変わろうとしている。

敗者であろうとも十分なインテリジェンス十分な兵力を持ち、同等に戦ったのである。たとえ愚かな戦いだとしても。


この映画はドイツ人が作ったドイツ人の視線。そう思うだけで全く見方が違う。1917、ダンケルクでさえこの映画の強さには叶わない。戦後のドイツの教育を受けてきた監督が作った。。控えめさが同じ敗戦国生まれの日本人の私だからかなんともわかる。

勝者に敗者の痛みなどわかるはずがないのだ。戦争の愚かさなど敗者にしか語れないことなのだ。

コンピエールの停戦シーンなどは大河ドラマ。数年後のヒトラーの屈辱報復停戦、そして現代のマクロンメルケルへと引き継がれる。

私は前のバージョンを見てないんですけども森の美しさや静寂さ洗い立ての軍服のしなやかさなど全てのディテールが光ってました。
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