さすらいの旅人

ひとりぼっちじゃないのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)
3.2
★レバニラ定食のレバはよけずに食べましょう
【BS/WOWOWシネマ/BD放送録画視聴/シネスコサイズ】

正直、よく意味が分からない映画だ。
コミュニケーションが苦手な歯科医師がアロマ店を営む女性に恋をする物語。この女性の部屋が風変わりで、カギをかけていない事と、観葉植物で溢れていることだ。部屋の中で二人はあまり会話もなく、寝そべっている事が多い。風や虫の声などの自然音が聞こえる草むらの様な環境だ。効果音としてブクブクした泡の様な音がたまに聞こえる。

普通の恋愛映画とは異なり、室内のインドアでの交際のようで、どちらかと言うと異質な恋である。本当に愛し合っているかは疑問だらけだ。彼女の親友や謎の男も登場するがあまり二人の関係に絡んでこない。この映画は具体性よりも抽象的な感覚を重んじた作品と思う。たしかに色々な植物や絵画も登場するが二人を覆い隠すような意味合いで美しさだけが強調されている。

淡々と描かれており、目に見える大事件も起こらない平凡な映画と言える。監督の抽象的な世界観は嫌いではないが、いかんせん共感できるものがなく退屈だった。やはり映画はエンタメ性がないと面白くない。ただ、私の好きな馬場ふみかと河合優美が出ていたので何とか最後まで観られた。