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正欲のmのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.0
多様性と言いながらそこには最初から自分が認識できるものしか含まれていないことや、簡単にカテゴライズできないLGBTQ+の+にあたる人たちがいること。
ずっと理解した気になるなよと言われているようだった。
確かに私は、まだ他者への想像が全然足りないのかもしれない。

だけど、みんなと同じに生きられない息苦しさと、どんな属性であってもマイノリティにとって連帯が大事であることは、私にもわかる。

大晦日とお正月を「人生の成績表のようだ」と言っていたけれど、先日友人の結婚式と披露宴に出席したとき、同じことを思った。結婚して、学生時代から現在までの友人や家族を呼んで祝福してもらうなんて、これまでの人生が"ちゃんと"している人にしかできないことだって。その枠にはまる必要なんてないのに、そんな気分になる。

パートナーもいなければ、実家とも折り合いが合わなくて帰れず、年越しをひとりで過ごす側の人間だから、世間から外れたもの同士で手を取り合って生活するのうらやましいな…。

一方で、水はただの一例に過ぎないとは思いつつ、それがどういう感情なのか正確にわからないことには何とも言えないとも思った。
どんな感情でもあっちゃいけない感情はないと言うけれど、小児性愛のように、他者(とりわけ子ども)への加害につながる感情は抑えるべきだから。

今回でいえば、
人には一切関心がなく水そのものに興奮するのか、水を通して人に興奮するのか。
見ているだけで良いのか、対象に対してああしたいという欲求まであるのか。
などによって、だいぶ変わるよなあ、と。
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