なかなかしっかりした作りだった。
不勉強な朝鮮、日本、日本の差別社会の歴史を勉強したくなった。
東出さんが気になり視聴。
存在感が増していた。
舟のシーン、風呂のシーン、
性のシーン、家族のシーン。
--ネタバレ注意--
「亭主が戦争に取られて寂しくなったらいけないんですか。」
「戦争に行っている間に間男に女房取られてたまるか。」
男女の言い分、貞節、情、性欲、本能。
家族の絆、仲間愛、戦争によるフラストレーションの捌け口、村意識、差別、残虐性。
色んなものを考えさせられた。
カメラが、迫力のある撮り方をしている。
観ている人の目の前で起こっているかのように、視線を引き込むカメラワークは何気なく秀逸。
手ブレが気になるシーンはありつつ、その後騒動を一連で撮るために固定出来なかったのだと納得。
田中麗奈さんも、素敵な役者さんになった(何様笑)
コムアイさんも、役者として、女の本能と情と嫉妬と、様々な面を体現されていて、女性目線として嬉しかった。
「(朝)鮮人なら殺してもいいのか」
本作の要となるシーンのセリフ。
次々と芋蔓式に殺戮が連鎖してゆく様子はえげつなく悲惨だった。
一発目の殺戮後の演出は、沈黙-サイレンス-の無音を想起させた。
事件を取り上げるだけの社会派に留まらず、登場人物の日常に起こりうる営みの面での感情、交わりのリアルを追求したあたりが、鑑賞を苦しいだけのものにしなかった。
柄本明も名演。
役者さんが中々皆さん素晴らしかった。
社会主義。資本主義。
今でも組織が自分たちのおいしいように民を牛耳るのは、なんちゃって民主主義でも変わらない。
いつの時代も、本作の女性新聞記者のように、強い信念で真実の回収、伝聞に努める天使のような存在が必要だと、痛感した。
森達也監督の作品、また観たい。
#福田村事件