歯医者のお姉さん

メトロポリスの歯医者のお姉さんのレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
4.2
「人権を侵害するという理由で、ロボットには人間のような名前はつけられないのです」

風邪をひいて学校を休むと母がDVDを借りてきてくれたんです。その中の一本がこれ。あの頃から記憶にずっと残っていて好きな作品の一つの為、思い出補正あるだろうなと観てみましたが、やっぱり大好き。

人間の身勝手に巻き込まれるロボットたちのお話。人間に作られてその通りに働いているだけなのに、ロボットのせいで仕事がなくなったと罵られ怒りの矛先にされる。代わりはいくらでもあるからとちょっと動作がおかしくなっただけで無惨にも壊されていく様がとにかく悲しい。人間のエゴが描かれていますが、小学生にはわからないと思う笑

ついにロボットたちの逆鱗に触れるのだか、"怒り狂う無機質"の演出が、小学生には怖すぎる。記憶に鮮明なのは多分このシーンのせい?

登場するキャラクターたちみんなに愛着が湧きます。幻想的なティマに恋する少年、実は頼りになる探偵さん。娘を亡くした公爵、父の愛を得たいロック。そして愛しいロボットたち!お手伝いをしてくれる警察ロボットや、ゾーン3のゴミ回収ロボットのフィフィ。

合わせる曲も好きだし、対照的な赤と緑を基礎に、カラフルポップだけれど廃れた色使いが、『未来都市のはずなのに幸せが見つからない』という世界観に引っ張っていってくれます。

記憶とちょっと違うところや、所々展開には疑問が残るものの、私の映画好きになったルーツ、みたいな作品でした。

しかしこれ風邪引いた低学年に見せる映画として選ぶかな?アニメや漫画はあまり見せてもらえなかったのですが、これは数少ないOK作品。なぜOKだったんだろう、基準がわからない