♪ あるひ もりの なか
くまさんに であった
はな さく もりの みち
くまさんに であった
古来より、クマは恐ろしい動物。
そう言われてきました。特に北方で行われたクマとイヌの戦いは伝説にもなっています。
なのに愛玩動物っぽく描かれるのも事実。
最近は勢いが弱まりましたが、一時はゲームセンターのプライズを席巻していました。右を見ても左を見てもクマクマクマクマ。四方八方クマクマクマクマ。
その元祖は『クマのプーさん』。
人を襲うことはありません。いつだって陽気です。だけど、ハチを従えてミツを貪ります。ガツガツとドロドロの液体を啜るのです。その色が赤かったら、まさにスプラッタ。
そんな発想を映像化したのが本作。
著作権が切れたのを良いことに、クマのプーさんが人を襲ったらどうなるか?を軸に描いたホラーです。まるで某大手映画会社を敵に回すような姿勢に、ググっと前のめりに臨んだのですが…。
うーん。ごめんなさい。
途方もなく眠気が襲ってくるほど退屈でした。
一応、映像は刺激的なんですけどね。
血飛沫プシャアッ!肉片ミチミチミンチッ!頭蓋骨陥没で脳髄ドロッ!とスプラッタ映画の基本は押さえているんですよ。
あと、ささやかながらお色気もあります。
ぷるん!とジューシーな膨らみが揺れるさまは、まさに「けしからん」の一言。ネコ型ロボットが思わず「もっとやれ」と言ってしまうレベル。
…なんですけどねえ。
プーさん含めて登場人物の誰にも肩入れが出来ないので、抑揚のない授業を受けているのと同じ。たかだか80分強の作品ですが何度も休憩を入れました。
まあ、そんなわけで。
発想は悪くはないんですが、これなら静止画…というかマンガで描いた方が面白かったかもしれない…なんて言いたくなる作品。存在自体が“一発ネタ”。そう捉えた方が吉です。
というかですね。
パロディにするなら著作権切れなんてセコイところを狙わず、堂々と“現役”を対象にすれば良いんです。桜玉吉先生なんて『ぐりとぐら』のパロディ『ふぉあとぐら』を4コマで仕上げましたからね。あれは傑作だったなあ。