明石です

グッドナイト、マミーの明石ですのレビュー・感想・評価

グッドナイト、マミー(2022年製作の映画)
3.4
美容整形をし、顔に包帯を巻いて帰ってきた母親が、息子への愛情を欠いた、別人のような内面に変わっていた。もしかして別人??という本当にあったら死ぬほど怖いお話。Amazonオリジナルでリメイクされた元オーストリア映画で、オリジナル版は前世くらい昔に見たのと、ドイツ語が全くわからなかったのとで、ほとんど記憶が消し飛んでいるため実質初鑑賞でした。

帰ってきた母親が、自分たちの知ってるお母さんじゃない!という物語としてはシンプルなものですが、その見せ方がとても凝っている。変な音楽を流しながら下着姿で鏡の前で踊り、毛嫌いしていたタバコを吸い、息子にもらった絵をゴミ箱に捨て、そして毎日歌ってくれてた子守唄を忘れている、、物語の進行とともに、母親(?)の被っていた仮面が剥がれ落ちるにしたがって少しずつ明かされていく狂気が堪らん。

しかし!本性を露わにしたマミーは、まさかの偽物の肌を身につけたMummy(ミイラ)というジョークだったのか?と思っていたら、なぜか悪者であるはずのマミーが夜な夜な1人でむせび泣いていたり、彼女が本物のマミーである証拠が出てきたり。右に左にと勢いよく振れるストーリーに、何処へ運ばれるのやらと好奇心たっぷりに見ていたら、、ラストではなんと、観客を驚かせること(だけ)に目的が置かれた、きわめて映画的な種明かしが!こりゃびっくらこいたぞー。

キャスト等の前情報を何も知らずに見始めたのですが、終盤で包帯をとったお母さんがまさかのナオミワッツで驚いた。そっちの種明かしの方が私的には嬉しかったなあ。現実に根ざしていない映画の中でしか起こり得ないビックリ現象は映画の中で起こっていてもハマれないなあとしみじみ。しかし10歳前後の子供がいるお歳の設定なのに昔と変わらずお美しい、、好き。
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