ナマケモノ

ワタシの中の彼女のナマケモノのレビュー・感想・評価

ワタシの中の彼女(2022年製作の映画)
3.8
四話構成のオムニバス映画

<第一話「4人のあいだで」>
学生時代の友人(占部房子さん、草野康太さん)と女性の会話。彼らの人生に影を落とす登場しない人物サヨコ。
サヨコがそれぞれの心の闇になっていることが段々と判明していく会話。

<第二話「ワタシのを見ている誰か」>
フードデリバリーの男性(好井まさおさん)と彼に注文した食事を食べさせる女性の交流。

人間は独りきりで生きているわけではないという物語。

<第三話「ゴーストさん」>
路上生活者の女性(浅田美代子さん)と風俗店勤務女性の交流

路上生活女性撲殺事件をもとにしたストーリーで、それを思うと心が痛い。日常的に道端で交流していた路上生活者との交流と別れ。

<第四話「だましてくださいやさしいことばで」>
盲目の女性とオレオレ詐欺の受け子(上村さん)の交流

盲目の女性は全てを見透かして、“自分のために使いなさい”と渡してしまう。


当初、第一話のみで短編映画として海外の映画祭などに出ていたのだが、さらに三話を加えた、四話構成。
今後もいろいろな映画祭に出ていく作品とのことでした。今後も目が離せません。

とにかく菜葉菜さんの20代から40代まで演じられるという魅力を感じます。
中村真夕監が"どんな役も嫌味がなく演じ分けられる女優さん”という言葉に深く納得でした。

浅田美代子さんの元舞台女優の路上生活者は、本当に街角に佇んでいそうで素晴らしいと思いました。
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