ナマケモノさんの映画レビュー・感想・評価

ナマケモノ

ナマケモノ

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.8

「怒りのデス・ロード」の前日譚。
フュリオサの子供時代を演じる アリーラ・ブラウン から成長し アニャ・テイラー=ジョイ へ入れ替わるのが自然すぎて実に見事!
物語は「デス・ロード」へ馴染む非常に上手
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ライド・オン(2023年製作の映画)

3.9

ジャッキー・チェン 70歳、50周年の集大成とも言える作品。伝説のスタントマンが手塩にかけて育てた愛馬と共に、金銭問題により愛馬を危機に直面しながらも、かつて名を馳せた映画の世界で数々のスタントに挑む>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

アウシュビッツ収容所の隣で、一見豊かで平穏に暮らすルドルフ一家。隣の敷地から常に悲鳴や銃声が聞こえており、煙突からは煙が絶えない。

隣の敷地で起きていることを気にしているのは鑑賞している我々だけなの
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若武者(2024年製作の映画)

3.9

二ノ宮隆太郎 監督作品
若さとは、若者とは、というドキュメンタリーを観るような作品。
将来の希望もなく何となく生きているような彼らから“革命だ革命!”“死ぬまでに何をするかということ”という言葉が発せ
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ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

3.7

キングズリー・ベン・アディル がボブ・マーリーの英雄的な側面だけでなく、人間的な弱さ、頼りなさの表現も上手くてとても良かった。音楽で世の中を変えるという大義、とても強いメッセージ性を感じます。

ボブ
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.6

前シリーズから300年ほど経った猿たちの世界。
過去作の“シーザー”の名が伝説のように登場するのが感慨深い。

主人公ノアとその猿コミュニティ、敵対する猿コミュニティ、そして人間とのかかわり。

人間
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.8

原題 speak no evilだが「胸騒ぎ」という邦題は絶妙にピッタリだと思う。とにかく不穏で、冒頭から胸騒ぎが止まらない。他人と接していて「..え?」とか「..は?」と首を傾げてしまうような、小さ>>続きを読む

ヤクザプリンセス(2021年製作の映画)

5.0

ブラジル・日本・米国共同制作。
主人公アケミ(MASUMI)は幼少期に家族を失い、ヤクザによる抗争の中での生き残り。しかし、アケミ自身は自分がヤクザの娘であることを知らずに育ち、ブラジルで静かな生活を
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正義の行方(2024年製作の映画)

3.6

1992年に発生した「飯塚事件」福岡県で小学1年生女児2名が登校時に殺害された事件。犯人とされる男性の死刑は執行。その冤罪の可能性を追うドキュメンタリー。犯人と信じる人々、冤罪を信じる人々、双方の話に>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

巧( 大美賀均)は、薪を割り、水を汲み、森で木の名前を娘に教え、自然と共に静かに暮らす日々。グランピング場を建設する企業がやってくる。住民説明会の場で「大切なのはバランスの問題」と巧が言う場面があり。>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

3.8

トニー・レオン、ワン・イーボーがW主演。
第二次大戦時の上海が舞台。共産党、国民党、日本軍、誰がどの方向を向いているのか、考えも素性も知れぬ“無名”のスパイたちの物語。計算された映像の美しさとアクショ
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.7

実際に起きた「エドガルド・モルターラ誘拐事件」がもとになっている物語。
ユダヤ教家庭の子エドガルドが、カトリック系の家政婦が勝手に行った洗礼が原因で、ローマ教皇の命令により誘拐される。家族と引き離され
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辰巳(2023年製作の映画)

4.0

主人公の辰巳は、普段は漁港で働きつつ
ヤクザ“一家”に所属して、彼の勤めを果たす日々。ところが薬物を巡るトラブルから混乱が生じる。とにかく善人は1人もいない。義理と人情の世界。辰巳と周囲の人々との真剣
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キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

3.5

パナマの密林で違法に捕獲されたナマケモノが、アメリカに密輸入され、エミリーのペットとして飼うことに。大学の女子寮に連れてこられたナマケモノは“アルファ”と名付けられ人気者になる。やがて女子寮のメンバー>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.0

アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に際してミスティスラフ・チェルノフ監督が「この舞台でこの映画を作らなければ良かったと話す最初の監督になるだろう」とスピーチしていたのが棘のように刺さっていた。映画館で>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.9

ロンドンのマンションで独り暮らすアダム
( アンドリュー・スコット )。同じマンションに暮らすハリー(ポール・メスカル )が部屋を訪れてくることから恋愛関係に。アダムの実家では両親が30年前のままの姿
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貴公子(2023年製作の映画)

3.9

フォリピンの地下格闘技で稼ぎ、病気の母親の世話をしている、貧しい暮らしぶりのマルコ。韓国の大富豪が父親を名乗り、コンタクトをとってきたことにより、会いに行くことに。途中「友達」だと言い、どこまでも追い>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

韓国ソウルで幼馴染みであったノラとヘソンが24年後、ニューヨークの街で再会。ノラにはアーサーというパートナーの存在が。ノラとヘソン、アーサーの3人がバーカウンターで話すくだりはとても心揺り動かされる。>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

“原爆の父”と呼ばれた科学者オッペンハイマーの半生について、主に会話劇でとても丁寧に語られている。

実験成功を成し遂げるまでが科学者としての興奮や喜びで、政治や軍事の駆け引きに手渡ったときに止められ
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.8

訪問介護職のムンジョン(キム・ソヒョン )は、盲目の夫テガン・痴呆の妻ファオクという夫妻の家へ介護に通っている。一目瞭然の貧困格差。

ビニールハウス住まいを抜け出して息子との新居での暮らしを夢見るム
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.7

52ヘルツというあまりに高周波で鳴くので
他の仲間に声が届かない
“孤独なクジラ”からきたタイトル。

母親に命じられるがまま義父の介護、離れたくても離れられない家族という呪いにとらわれているキナコ(
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.6

ドミニク・モル 監督作品
10月12日21歳の学生クララが殺害された。謎の人物に火をつけられて。クララと繋がる男たちは全員誰が犯人でもおかしくない。この作品の面白さは、主人公が被害者でも加害者でもなく
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

売れない小説家モンク。世間からは「黒人」というカテゴライズ、黒人らしさばかりが求められ、自身の主張には目を向けてもらえない。その状況を逆手にとって、半ばヤケになり、自分の名を伏せて冗談めいた、いかにも>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.8

キングスマン シリーズでお馴染み
マシュー・ヴォーン 監督作品。
有名作家エリー(ブライス・ダラス・ハワード )
によるスパイ小説と、現実のスパイ組織とが交錯する物語。

鮮やかなアクションとコメディ
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獣手(2023年製作の映画)

3.9

夏目大一朗 監督
息を潜めるように暮らす修 ( 福谷孝宏 )と
整形し過去を消して生きる小雪( 和田光沙 )
彼らを過去に引き戻すかのように現れ
暴力で二人支配する乾( 川瀬陽太 )

乾の指令で悪事
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.8

米軍がアフガニスタンで雇った通訳アーメッドと、軍曹キンリーの友情物語。タリバンに襲撃され瀕死の重傷を負ったキンリーをアーメッドが命懸けで救い、大変な長距離の険しい道のりを米軍基地を目指して歩く場面は目>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

見渡す限り雪原の中に建つ山荘。
夫が転落死。妻には殺人容疑がかかる。
しかも現場にいた唯一の証人である息子は視覚障害がある。果たして何があったのか、裁判で解明する形で物語が進むサスペンス。

夫婦喧嘩
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.6

アリ・アスター 監督
大筋は、ボー( ホアキン・フェニックス )と母親の物語。母親との過去、現在にわたって思うところがあるボー。あるときボーが母親の訃報を聞いて、帰郷しようとするも紆余曲折あって難航す
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.7

「ケイコ目を澄ませて」の三宅唱 監督作品
パニック障害に悩む山添くん( 松村北斗 )と、PMS症状に苦しむ藤沢さん(上白石萌音 )が互いの症状を理解し、助け合う物語。

心の問題につらくあたる人は誰も
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.6

ゲームストップ社の株を巡る実話を元にした物語。
投資家である主人公キースの動画配信やSNSに共感した、一般の個人投資家たちと、
大組織・大物投資家たちとの対決が
観ていてわくわくする。
やがて全米の政
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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

4.0

マイウェン 主演・監督
スキャンダルに語られる恋愛だが、ジャンヌの生まれ育った環境がたまたま王家から蔑まれる身分格差があったというだけに思えた。

監督主演のマイウェンが演ずるジャンヌ、単純に姿形が綺
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.3

ジェンダー、人種、貧困あらゆる格差によって苦しく不遇な身の上の主人公セリ。最愛の妹との生き別れ。搾取される側でいつづける自分の暗い運命を仕方なく受け入れてしまっているセリ。
やがて高圧的で無礼な相手に
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

ヤクザの狂児(綾野剛 )が組のカラオケ大会で最下位になると刺青を彫られてしまうという罰ゲームを逃れる為、中学生で合唱部長である聡美( 斎藤潤 )に歌唱の指導を懇願するという突拍子もない設定。

意外に
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

橋の上身投げするシーンから始まる。
天才外科医ゴッドに拾われ、胎児の脳を移植され蘇生したベラ。身体は大人、精神年齢は産まれたてからスタート。
その設定から想像がつくストーリーなのだが、想像を軽く越えて
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.6

ウッディ・アレン 監督作品
映画祭が開催されるサンセバスチャン。
風光明媚で知られるかの地で、
セレブ夫婦の危機と、
その夫モートが恋を夢見てあたふたとする様子が
本当に可愛いらしい。
モートが専門家
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誘拐アンナ(2017年製作の映画)

5.0

佐藤懐智 監督作品
依頼があればターゲットを誘拐することを生業とする“アンナ“。バイクで颯爽と現れ、鮮やかな手口で誘拐をしていく。
あるターゲットを誘拐したときに、心が揺れるところからロードムービーが
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