このレビューはネタバレを含みます
「ずっとこのままで居られたらいいのに」という思いに、卒業という強制的な変化点が容赦無く立ちはだかる。
4人の少女を軸に話は進むが、それぞれの想い、卒業する前に乗り越えないといけないもの、抱えているものを乗り越えていく。
「もっと早くから話せばよかったね」と言われた時に、彼女は誰かの記憶の一部になる。
「山城さんが答辞を読むからです。彼女は前に進もうとしている」
そこから歩み始められたことがいることに、感動する。
そうした一つ一つの、一歩に感動する。
ただ、隣の人に話しかけただけ、好きな人を一言励ましただけ、と言えばそれまでなのだが、そこに壮大なドラマを詰め込めることが、その勇気が青春の特権である。
一人一人の演技も、実在感が素晴らしく、瑞々しい作品だった。
原作が同じ作者なので、「桐島、部活やめるってよ」をどうしても想起してしまうが、見事に互換性なく、別の角度で素晴らしく今の青春を描いた作品だと思う。
野暮なこと言うとそんな一つ一つみんながいい感じにケリつけられるもんかよとも思ってしまうが、それを軽く超えて、生きていることは最高なんだ(死ぬことがダメということではない)、お前は最高なんだ、を一人ひとりに与えてくれるかもしれない作品でした。
'Tis I'll be here in sunshine or in shadow
Oh Danny boy, oh Danny boy, I love you so.
陽の光の中でも,暗闇の中でも,
私はここであなたを待っているよ