いかにも低予算な画質。音もたまに途切れる。でも、そんなの関係ない。すばらしい!面白い!
売れない役者三人の元に、赤ん坊の「どんちゃん」が転がり込んでくる……という物語はさておき、ひたすらオフビートな会話と、絶妙に先が気になるエピソード(インド映画のオーディションなど)が続きます。
何しろ「自主映画」なので、全体的にかなりゆるい雰囲気……そういうのが苦手な人は苦手かもしれません……でも、自分にとっては最高でした。
なぜ面白かったのかと言われても、説明が難しいのですが……
テクニカルな要素を重視するのではなく、「撮りたいものを撮りたいように撮る」という、映画の原始的な喜びや魅力に溢れた映画だからかもしれません。なので、どのシーンでも「どんちゃん」は、ものすごく輝いて見えます。まさに「銀幕のスター」!
もちろん、どんちゃんを囲む俳優陣のアンサンブルもすばらしい。こういう「リアルな会話劇」ってモタモタして正直苦手な作品もあるけど、これはニヤニヤしながら(たまに吹き出すことも……)最後まで楽しめました。
やはり、面白さの説明が難しい……
とにかく、ぜひ見てみてください。
とても緩くて、楽しくて、そしてなぜか美しい映画でもあるので。
本作は撮影開始から公開まで7年かかっているそうです。宝石のような時の流れが詰め込まれた、そんな映画です。