盥さんの映画レビュー・感想・評価

盥

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.9

「怒りのデスロード」に登場したフュリオサの前日譚。
実りの地から誘拐された、幼き日のフュリオサ。そこから始まる絶望。暴力。鉄と鉄のぶつかり合い。復讐と再生。
……大傑作だった前作に勝るとも劣らぬ、圧倒
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この広い空のどこかに(1954年製作の映画)

4.4

しみじみ良い。都内の小さな酒屋を舞台にしたホームドラマ。優しいけど甘すぎない、現代的な感覚の作品だと思う。戦後の文化や価値観を知る楽しさもある。
もう店内の浦部粂子のような所作で動ける俳優っていないだ
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.8

言わずと知れた、ド名作。
新宿西口映画祭にて。初めて映画館で、しかも35mmフィルムで見られて嬉しいー!

本来は主人公であるラムちゃんがあまり登場しないことでも有名な本作ですが、描かれるときは本当に
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トマホーク ガンマンvs食人族(2015年製作の映画)

4.4

よかった。

誘拐された妻を助けに、夫と保安官ら4人が殺人穴居族の集落へと向かう……タイトルから想像するB級映画ではなく、低予算ではあるがしっかり作られた良質な西部劇。

食人族の描写が怖い。個人的に
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くもりときどきミートボール(2009年製作の映画)

4.5

めっちゃバカバカしくてめっちゃ楽しくてめっちゃ面白くてめっちゃ好き

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

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2022年2月24日、ロシア軍のウクライナ侵攻が開始。ウクライナ領ドネツク州の港湾都市であるマリウポリも、ロシア軍の攻撃による壊滅的な被害を受ける。同年5月17日に現地ウクライナ兵は登降、現在に至るま>>続きを読む

お!バカんす家族(2015年製作の映画)

4.1

けっこう面白い。映画クレヨンしんちゃんをもっと下品にした感じ。

題名どおりの中身なので特にあれこれ感想を言うようなものではなく、シンプルにおバカ。清々しい。
こういう面白いコメディー映画は希少です。
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ツングースカ・バタフライ-サキとマリの物語(2018年製作の映画)

4.4

とても良かった。

野火明監督の作品は「シークレット・ワルツ」「アリが空を飛ぶ日」の二本しか見ていませんが、どちらも胸に刺さるものがあり、「ツングースカ・バタフライーサキとマリの物語」も見るのを楽しみ
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辰巳(2023年製作の映画)

4.1

ヤクザの辰巳は死体を解体して廃棄するのが得意で、バラシ屋と呼ばれている。辰巳はかつて、薬物の過剰摂取で亡くした弟をバラした悲しい過去を持つ。そんな辰巳は、ある日、どこか弟を思い出させるような女の子・ア>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.5

よかった。泣いちゃったよ。

大林宣彦「異人たちの夏」は見てるから話は知ってるんだけど、それでも引き込まれました。映像、音、演技、すべて良いバランスで噛み合っています。

主人公の脚本家の男・アダムが
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.3

評判通り面白かったです。
ピクサーは、重いテーマを娯楽に落とし込む手際が、いつもながらにすごい。
ただ、個人的にはもう少し音楽映画的な方向性を期待していたので、そこが物足りなかったかな……

いろんな
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お坊ちゃまはラッパー志望(2003年製作の映画)

3.8

意外と面白いです。
酒飲みながら夜見るのにちょうどいい。

でも「映画はバカバカしいけど出てくるラップは本格派でカッコイイ」みたいなパターンだったらめちゃ楽しい映画だったかも……ラップが少ないのが物足
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.7

映画芸術の極北。精緻を極めし音と光の神殿。映画好きなら必見!
ただ面白いのかどうかは、正直よくわかりません。

あ、そういえば……ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督といえば「ドーン!」という例の超低音迫力サウン
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.3

作品として優れているのはもちろん、こういう事実があったという記録をフィクション形式で残したということに意味がある。なので面白いとか、面白くないとか、それだけの作品ではない。

ハーヴェイ・ワインスタイ
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サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)

4.4

光が優しい、美しい。
リアルと幻想、暴力と愛が混在する、青山真治の北九州サーガ三部作完結編です。

青山真治の映画では、なぜか日本が日本に見えない。どこかちがう国で撮影しているかのよう。もちろんカメラ
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

4.3

面白かった。
脚本に一捻りあるのがいい。
「スクリーム」「ハッピー・デス・デイ」などのコメディーホラー映画好きならおすすめ。怖くはないけどね。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

いい映画でした。

もしPMSの人が職場にいたとして、それを知らなければ「感情的な人だな」「怖い人だな」と思ってしまうかもしれない。男性である自分には、まったく未知の感覚だから。それを偏見という自覚も
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.5

期待を上回る面白さ!
すごく好き。

物語が二転三転するクライムサスペンス。
脚本がいい。サスペンス要素のなかにメインの少年少女3人(アサヒ、ナツキ、ヒロシ)の人間ドラマがしっかり描かれている。今回は
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.4

とてもよかった。

同じ監督の「少年の君」が好きで見ました。個人的には「少年の君」ほど胸に迫るものはありませんでしたが、良い映画だと思います。女の子の友情ものとして秀逸。終盤の脚本も驚かされるし。
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.2

面白かった。しっかり作り込まれたサスペンス映画。ただ元々の設定に無理があるからか、ご都合主義は否めない。

どうせご都合主義なら、もっと思い切り後味良くした方がいいんじゃないかな? 嘘なら嘘でスカッと
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.5

封切りで見たときはピンとこなかったけど、今見るとジワジワ面白い、いぶし銀の良作。

武器商人(サミュエル・ジャクソン)から50万ドルを奪おうとする運び屋(パム・グリア)の計画を描いたクライム・ストーリ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

ビジュアルは完璧に近いと思う。
人工的な魅力と想像力に溢れ、金が掛かっている。GUCCIやCHANELなどハイブランドのCMを思い浮かべてほしい……身も蓋もない言い方をすれば、あれを2時間見ている感じ
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

4.3

ティム・バートンの映画を久しぶりに見た。
なんか、こう、大人っぽい作風になっていて寂しい気持ちになります。巧いけど、昔みたいに迸るようなイマジネーションはもう感じない。面白い映画ではあるのだけど。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

パッとしない中年の男女が出会い、互いを思い合う様を描いた恋愛映画。とても地味だけど良い。

2人が働く職場として、建設現場やスーパーマーケットなどにおける不安定な労働事情が描かれている。現代的な雰囲気
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ガキ帝国(1981年製作の映画)

4.5

日本の昭和ストリートカルチャー・ムービーの傑作。当時の大阪の街や不良文化が色濃く画面に刻み込まれている。

島田紳助は芸人としても人としても好きじゃないが、これ一本のせいで大嫌いにはなれない(嫌いでは
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.4

個人的には、人間ドラマパートがモノクロだと見づらい感じがしました(特に室内)。

画面の色味で無意識のうちに視線誘導されていたのが、モノクロだと視線が泳いでしまう感覚があり、演技に集中しにくかったです
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

4.1

今田美桜が可愛かったです。あと、とにかく映像がきれいで気持ちいい。

よくある「大正ロマン風味にしてみました」感ではなく、細かい美的なこだわりと頑張りを感じました。なので、話は複雑で入り込めませんでし
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.1

ゆるいアクションコメディー映画。
可愛い女の子と楽しいアクションが見られて一石二鳥……酒飲みながら夜見るのに丁度いいです。
ラストのバトルシーンは特に良かった。少年マンガみたいで。

血ぃともだち(2022年製作の映画)

-

途中でやめてしまったので星は付けられませんが、たぶん最後まで見ても面白くないと思います。

真・女立喰師列伝(2007年製作の映画)

3.0

良くない。知らない大学のOBが撮った自主映画を見てるような感じなので、見なくていいと思います。

湯浅弘章の作品はよかった。カメラマンがロマンポルノ出身らしく、女優がきれいに撮られていました。でもこれ
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.5

前回「ファースト・カウ」冒頭で寝てしまい、起きて見たらすごく面白かったという反省を活かし、今回はちゃんと気を張って見たので寝ませんでした。やはり、すごく良かったです。

ミッシェル・ウィリアムズ演じる
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東京公園(2011年製作の映画)

4.3

良かったです。三浦春馬の真っ直ぐな目。

青山真治は常に映画界における異物のような映画を撮り続けた監督だと思います。端的に言うと「変」なのです。しかも、わかりやすい「変」ではなく、さりげなくとても変な
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.5

これはすごく好きな映画。

ダブル不倫を描いてるのに、何だろう、とても軽い。しょーもない。面白い。猫が魅力的。

柿ピーを食べながら同居人とあーだこーだ言いながら見て、とても良かったです。
同監督では
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東京無国籍少女(2015年製作の映画)

4.3

みんな評価厳しすぎませんか?
かなり良いのでは?

少なくとも押井守の実写では最良の部類です。個人的には、

アヴァロン>ガルムウオーズ≒東京無国籍少女>その他

の順番で面白いと思います。
……これ
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