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ほどけそうな、息のakiakaneのレビュー・感想・評価

ほどけそうな、息(2022年製作の映画)
3.3
やはり44分では背景や人間関係、児相の前提情報など描ききれない部分が多すぎる上、ハッピーエンドまでが短く余韻が物足りない。
一方で元児相職員のプロデューサーをはじめ児相職員に取材し意見を聞いた当事者目線の稀有な作品であると共に、わかりやすく決め台詞然としない拙い言葉を選びながら恐る恐る話すカスミ(小野花梨)や行き詰まったストレスと焦りを児相職員にぶつけるシノブ(月船さらら)の演技が抜群だった。

一人ひとりの関係や“素敵なハッピーエンド”にできない難しさを加えた続編・長編を期待したい。

《余談》
「奥さん」「旦那さん」というフレーズはあれど、夫を呼ぶとき「ご主人」「主人」という言葉が出てこなかった点は良かった。何故家庭の話になると個人名ではなく家の役割で呼ぶのか常々疑問である。
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