『X』が面白かったので、本作を楽しみにしてました！本作をスコセッシが絶賛していたのもあって、公開が待ち遠しく感じました。
本作は『X』の前日譚にあたり、老婆パールの若かりし頃を描いたストーリーです。
ミア・ゴスの可愛らしい見た目と裏腹なパールの狂気。このギャップが素晴らしくてパールの狂気がどんどん膨らんでいくのが伝わってくる。ミア・ゴスの演技が素晴らしいですね。
タイ・ウェスト監督は本作でも非常に映像が美しくて、とてもセンスを感じます。
少しタランティーノの映画の画質に近い感じがします。ザラッとしたフィルムの質感と原色の使い方がキレイで血ですら美しく見せるのが凄いですね。
ストーリーも良いんですけど、映像がとにかく観てて飽きない。ミア・ゴスが映画の中に入って完成される美しさでもあると思うので、そこまでが計算だとしたら素晴らしいと思います。
ホラーとしての怖さよりも人間の狂気の行き着く先が観てて楽しいです。
恐怖と笑いは表裏一体だと思うのですが、『PEARL』『X』を観ていると本来なら恐怖と離れている感情から徐々に恐怖へとグラデーションの様に変わっていく様が見て取れます。笑いとは違うのですが、エロからスプラッターホラーに変貌したり、本作の様に夢見る少女のドラマからサイコスリラーへと変貌する。
ミア・ゴスという女優一人の演技でストーリーが変化していく。それが素晴らしいです。
ラストシーンの表情なんて見事です。
ミア・ゴスにはこれからも注目したいです。
