荒野の狼

イエス様 マリア様 ヨセフ様の荒野の狼のレビュー・感想・評価

5.0
爺さんの突然の死を巡って、親族 知人 村民たちの一連の騒動を描く、インターミッション入りの120分。2年前に作られた『シエラネバダ』ソックリのインド映画。負けず劣らずケッサクである。というよりこれ(シエラネバダ)を意識して作ったとしか思えぬほど、「俺たちインド人ならこうやる」感が半端ない。尺を同じにした所が確信犯的である。そして熱量の点ではこちらが勝り、アタマを使う必要が一切無い。そのまんまの人達の笑えない状況の面白さと言うべきか「滑稽の笑い」に対する感性がより日本人に近い、つまり乗りは落語の『らくだ』、終盤のグルーブは『七人の侍』だ。この映画が何故おもしろいのかを敢えて考える事は、きっと私達の人生を豊かにする事間違いない。死はちっとも怖くない、まさに葬式とはこうあるべきだろう。なんでこんなに面白い(有意義な)映画なのに、宣伝しないの? 切り取りばかりの演出ドキュメンタリーなんかより、これこそよっぽどドキュメント(記録)映画だ。
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