柏エシディシ

ストーリー・オブ・フィルム エピソード7. 西ヨーロッパ映画の革命の柏エシディシのレビュー・感想・評価

4.0
1950年代末から1960年代。
西ヨーロッパの"天才"たちがそれぞれ独自のヴィジョンで映画の可能性を切り拓いていく。
とにかく登場する映画監督たちの名前を列記するだけで今回の"濃さ"は一目瞭然。
ベルイマン、ブレッソン、フェリーニ、パゾリーニ、ヴィスコンティ、そしてもちろんトリュフォーにゴダール。リストはまだまだ続く。
この頃の映画は半世紀以上経ってもその鋭さを失っていない。
とてもじゃないが語りきれないこの頃の映画の凄さを分かりやすくそのエッセンスを丁寧に抽出するマーク・カズンズの手際にも感服する。
ヌーヴェルヴァーグの先鞭としてアニエス・ヴァルダではじめたり、この手の映画芸術史では隅に置かれそうなセルジオ・レオーネにも時間を割くところも現代的なバランス感覚だ。
「映画は物語を語るだけのものじゃない」(だっけな)という言説は確かにこの頃の映画を象徴する言葉だし、まさに映画を楽しむ幅を拡張する時に必要な感性。
第7回にして今までで1番濃密なエピソードだった。まだちゃんと消化し切れていないな。もう一回ちゃんと観たい。めちゃめちゃ楽しい。
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