SHE SAID／シー・セッド その名を暴け
"#MeToo運動" のきっかけとなった、ハーヴェイ・ワインスタイン事件報道の舞台裏を描いた作品ということで、公開前から楽しみに。
ニューヨーク・タイムズ紙の記者であるミーガンとジョディは、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが数十年にわたり、権力を笠に着た性的暴行を重ねていたという情報を得る。
"スポットライト 世紀のスクープ" とは多少趣きが異なり、映画的なスリルやサスペンスをあまり追求せず、演出や脚本も抑え気味。それでも十分にスリリングさを味わえ、上映時間の129分があっという間に。
本作は、単に "ハーヴェイ・ワインスタイン個人の問題" として描くのではなく、それらの事件を生み出した大きな権力、社会の縮図や環境、加害者に有利なシステムや法律などを繰り返し描くことで、女性たちがなぜハラスメントを拒否できなかったのか、なぜ口を閉ざしてしまったのかがよく分かる仕組みに。
W主演のキャリー・マリガンとゾーイ・カザン。作中では二人の相性の良さを感じさせ、自然体の演技が光る。
事件の被害者であるアシュレイ・ジャッドの出演に拍手！！
