HiromiA

エゴイストのHiromiAのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
3.6
 ゲイカップルの話にはなっているけど、家族特に母親とその息子の関係とか家族となることについてのお話だったように思った。もし龍太が女性だったとしても同じような展開の物語はそう多くはない。カップルの片方が亡くなったとき結婚もしていないのにその母親の面倒を見るという話にもなっていた。浩輔の少年時代はゲイを自覚する少年にありがちな不幸だったけどそれをバネにして高校大学と進学しゲイを隠さずに済む世界で割と幸せな感じに見えた。ファッション業界はなんかゲイが似合うのは、これまでそういう描かれ方をしてきたからなんだろうけど、男が女になろうとしたとき(ゲイとは関係ないかもしれないが)入り口がファッションなのかもしれない。そしてこの映画を成功に導いた一役を担っていたのはやっぱり鈴木亮平だと思う。変態仮面や剛田猛男を演じたりみみずくの竜になったり調律師になったり近藤勇になったりヤクザの跡目になったりMERのチーフドクターになったり、彼の存在感はでかい。ところでゲイもレズのようにタチとかウケとか決まっているんだろうか。あるいはその場の雰囲気なんだろうか。トランスジェンダーで心は女性なのに身体は男の人が男性を愛したら傍から見ればゲイだけど実はノンケなんだろうか。まあそういった線引きが不要な世界、愛してた人の性別を意識しなくていい世界が早くくればいいんだけどね。
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