このレビューはネタバレを含みます
「亡くなる直前彼女は…。彼女は笑っていました」
笑顔で自殺した患者を見てから、自分自身も笑顔の人間の姿が見える幻想に取り憑かれてしまったセラピストのお話。
『イット・フォローズ』の"ついてくる"が"笑っている"に置き換わった感じの設定だった。人の笑顔ってめちゃ怖いんだな…。
ミッドサマーと同じ道路の逆さ写しとかも印象的だった。これも世界が真っ逆さまになっていくことのメタファーなのだろうか。
ラストの方、昔のセラピストが家に訪れて静かに笑顔になっていくくだりや、信じていた警官のトレバーがニヤッとするくだりはクソ怖かった。ああいうことやっちゃダメ…。
お母さんがモンスター化してからはもはや怖くなくなっちゃったけど、自分の心の中(もともと住んでいた家)と対峙する流れは良かった。
最後はローズが取り込まれてしまって、警官の友達が次の犠牲者になってしまうというバッドエンド。トレバーが笑顔になるとこまではなんとなく予想できたけど、そこからさらに一段落としてきたのが上手かったな。
以下、セリフメモ。
「お前は死ぬ!お前は死ぬ!お前は死ぬ!お前は死ぬ!」
(警備のコールセンターから)「本当に一人?後ろを見て」
「なら遺伝か?調べたら精神病は親から遺伝するって。俺の一生に影響するかもしれないだろ!」
「20の事件で自殺したのは19人。事件は繋がっているんだ。その死に方がどれも酷い」
「俺もできる限り調べたんだ。過去にも連鎖があって、数年前にはブラジルで起きた。その連鎖から逃れた男は、隣人を殺してその妻に連鎖させた」
「お前の患者(相談のために身を偽った主人公自身)は死ぬ。誰かを殺さない限りな。逃れる方法はそれだけ。しかもトラウマを連鎖させる目撃者が必要だ」
「婚約者は私を狂人扱い。姉には完全に拒絶されたわ」
(目の前にマデリンがいる状況で電話を取ると)「もしもし?マデリンよ。昨日のことが気がかりで…」
「もうすぐだ。ローズ」
「分かったの。奴が生き残るには次の被害者が必要なの。周囲に人がいなければ終わりよ」
「ローズ、お願い、助けて。ママ間違えたの。電話をかけて。助けを呼んで」
「ママを恥じてる?なぜ見殺しに?」
「怖かったの!私は10歳だったのよ。ママはモンスターだった」
「自分の心からは逃げられないぞ」
「これは私の心…あんたも逃げられないわ!」
「眠りたいの。できたらその間そばにいて」
「ああ…"永遠に一緒だ"」
(自ら灯油を被って火をつけるローズを見て)「ローズ…よせ…」