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消えない虹のdm10foreverのレビュー・感想・評価

消えない虹(2022年製作の映画)
3.8
【タガタメ】

「dm的映画祭」の3本目はこちら「消えない虹」でした。

これはNHKあたりが好きそうなとても重たい話。
「未成年が犯した罪の行く末」について、被害者や加害者だけではなく、彼らを取り巻く大人たちがどうやって向き合っていくのか・・・。
作品としては「粗い部分」もちょいちょいあるんだけど、描こうとしているテーマにはちゃんと向き合っていたんじゃないかな。

僕が大好きなMr.Childrenで「タガタメ」という曲があるんだけど、その中にこういう歌詞があります。

♪子供らを被害者に、加害者にもせずに、この街で暮らすため、まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に、加害者になった時、辛うじて出来ることは相変わらず性懲りもなく愛すこと以外にない。

自分に子供が出来てまだその子がヨチヨチ歩きの頃は、ただただ僕たち親が見守っていれば良かったけど、やがて子供にも「自分の世界」が出来て、いつしか繋いでいた手を離して一人で世界に出て行く。
その時、親というのは大なり小なりの「覚悟」が必要なんだと感じました。
それはあの曲の歌詞にもあるように、被害者にも加害者にもならないように、親として教え、導き、叱って、褒めて、そんな事を繰り返しながら大切なものを守って生きていく。
・・・・でも、もしも被害者になってしまったら、加害者になってしまったら。
その時、僕はどういう言葉をかけてあげるべきなんだろう・・・。

この物語は「法律」によって裁かれるとかそんな事では解決できない根本的な問題を描いています。
映画としての完成度よりも、そのメッセージの欠片を拾うことが出来たと思うので、その辺をネタばれコメ欄に残したいと思います。
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