エイプリル

バーバリアンのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

バーバリアン(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

Airbnbで借りた家が実は廃墟に囲まれた呪われた家だった…っていうロケーションはかなり怖くてよかったです。
序盤、家に入るのもモタモタ、家に居続けると決めるのもモタモタ…という感じでいちいち動作がもっさりしてて、面白さが減弱してて嫌だったんですが、後半に行くに従ってどんどんスピードアップしていきます。特に後半のギルブライト編は展開がスピーディーで良いです。
地下って何かあっても誰も助けに来てくれない感じが怖いんですよね。でも自分の家の地下にこんな空間広がってるの可哀想にも程があって笑ってしまいました。
クリーチャーの造形も凝っていて嬉しいんですが、「漫☆画太郎のババアに似てるかも」って思うようになってからダメでした。
このクリーチャー、暴れる子どもは殺してしまうなど完全に突き抜けた毒親なのですが、行動動機が純粋な母性だったのはちょっと切なかったです。誰からも子育ての方法を教えてもらえず、動画でしか学べなかったっていうのもわかるとテレビの置いてた不気味空間も物悲しく感じられます。
ただ「いっぱい子作りしてたら化け物が生まれた」っていう理由がガバガバすぎてそれはちょっときつかったです。普通そんな理屈であんな化け物生まれないだろ。
あと、家のドアが何故か開いたり、最序盤の家の謎のダブルブッキングだったり、伏線らしきものはあったのにそれらがまるで回収されなかったの、途中でプロット変わったんじゃないかと思うくらいの展開でした。

お気に入りのキャラクターは断然ギルブライトです。「過去は変えられん…でも修復はできる!」っていうセリフを吐いた五分後にテスを突き落とすのめちゃくちゃ過ぎて笑ってしまった。いや、気持ちはわかるけど…。
なんというか、「過去は変えられん」のセリフない方が良かったんじゃ?って気持ちもありました。
あと、ギルブライトが死んでも全然悲しくなかった。メインキャラクターが死んでも悲しくないのどういうことなんだよ。

振り返ると結構ガバガバな展開も多く、丁寧に作られてる感じはないのですが、それでも緊張感は作品を通してずっとありますし、何よりラストの銃声の悲しさ、それに対応するようなポップなエンディングテーマと、映画としてのセンスは炸裂していて個人的には好きな作品になりました。
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