ウシュアイア

金の国 水の国のウシュアイアのレビュー・感想・評価

金の国 水の国(2023年製作の映画)
3.5
経済力はあるが水資源に乏しい金の国アルハミド、水資源はあるものの貧しい水の国バイカリは長年に亘り戦争を繰り返していたが、ある時和平のための約定として、アルハミドから国一番の美女を嫁として差し出し、バイカリからは国一番賢い男を婿として差し出すことになっていたが、美女の代わりに猫が国境近くの建築士ナランバヤルのもとに、賢い男の代わりに犬が国境近くの城で暮らす王女サーラの元もとに秘密裡に差し出され、約定違反とにより戦争の危機を迎える。そんな中、サーラは国境を越えてバイカリに入り、ナランバヤルと出会ってしまい、お互いの事情を知らず、ナランバヤルに本来迎えるはずだったバイカリからの婿のふりをしてもらい、戦争の危機を回避しようとする。戦争回避のため二人の努力がラブロマンスへと発展していくお話。

原作は少女漫画らしいが、小中学生くらいをターゲットにしたメルヘンチックな児童文学的なストーリーでやっぱり子ども向けの作品だった気がする。

主人公は少女漫画にありがちな美男美女というわけではなく、王女サーラはおっとりとした気立てのいいぼっちゃり系、建築士のナランバヤルは三白眼で冴えない雰囲気という具合。見た目は地味でも、思いやりのある人、自分ができることを精一杯やる人、仕事熱心な人をパートナーに選ぶとよい、という反ルッキズム的なメッセージ性が感じ取れる。そこにきてイケメンのサラディーン(CV神谷浩史)は味方なのか敵なのか誰しもがきになってしまうだろう。

作画・美術はやはりレベルが高い。
アルハミドはムガル帝国風、バイカルは東~中央アジア風の国として描かれて、世界観も斬新。

アニメーション制作がMADHOUSEで日テレが製作委員会に入っており、教育的な作品ということもあってそのうち金ローで2,3年に1回パースで放送されそう。

ジブリ以外で比較的小さな子供にもわかるファミリー映画ということもあって、こういう作品はもっと作られてもいいのではないかと思う。
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