ちろる

追想のちろるのレビュー・感想・評価

追想(1975年製作の映画)
4.4
復讐と追想と。
穏やかで愛に満ちた主人公ジュリアンの悲しみが詰まっているけれど、静かな作品ではなく、半分が緊張感の連続、そしてジェームス ボンド並みの不死身な身のこなしで大勢のドイツ兵を殺していく姿は 凄まじい。
ぽっちゃり、愛に満ちていて癒し系の彼の中にこの狂気がどこに隠れていたのか、、、いやその愛がコップから溢れてそのエネルギーが変わったのだろう。

かつては穏やかな日々を過ごした想い出の古城が、怒りの惨状と化すのに、愛妻クララと娘の姿のフラッシュバックが痛々しい。

ジュリアンの呆然とした表情に覆いかぶさるように追想する妻子との自転車を走らせるシーンが幸せに満ち溢れていて、涙が止まらなかった。
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