全力の本気で大人向けの特撮映画を作ってるなぁ、という前作と同じ感想を抱いた。
改造人間だったり、秘密組織だったり、と出てくる要素は、仮面ライダーなどの日本の特撮ドラマにかなり近い。
さらに今回は主人公の少女が最初から魔女として登場するし、組織の内情とかも描かれるので、余計にその感が強くなっている。
それを、壮大なスケールと、リアリティ溢れる演出、そして、えげつないほどに残酷な暴力描写で、極上のエンタメに仕上げてしまっているところに、ひたすら感心した。
続編ということで、前作のその後が描かれるが、そこに主人公を変えるという趣向を持ってきたのも面白かった。
前作が普通に見える少女が魔女として目覚める話だとするなら、今回は魔女が人間性に目覚める話。
なので、覚醒シーンに震えた前作と逆で、無表情で力を振るっていた女の子がふと見せる笑顔なんかがとても印象に残った。
気になったのは、登場人物があまりに多く、主人公であるはずの少女の話がやや弱く感じられてしまうところ。
ただ、これは次に続く物語上、どうしようもない部分だし、三部作（たぶん）の真ん中の作品という性質からしてもやむを得ないのだろう。
正直に言えば、それぞれのグループの説明描写が続く途中は、やや中だるみした感じも覚えた。
が、それぞれのグループがクライマックスで一堂に会する展開は激熱だった。
いろんな思惑を抱えながら、少女をめぐって繰り広げられるバトルは、物語的に相当に面白い。
また、映像としても素晴らしい。
花火を背景に、迫力に満ち満ちた戦闘が繰り広げられるのには目を奪われる。
いい意味で、まるでマンガやアニメの世界がそのまま現実に現われたかのような気分になった。
そこからの怒濤の展開にも、休む間もなく惹きつけられる。
ここら辺は、「引き」や「伏線」をふんだんに盛り込める、第二作という性質の良さが存分に生かされていた。
前作では「続きがあるのならぜひ観たい！」と思わされたが、今作は「早く続きを見せてくれ！」という気分。
早く続きを作ってもらいたい。
