菩薩

カラオケ行こ!の菩薩のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.8
絶対つまんねーだろとたかを括りボッコボコにしてやんよと記しておいたそれっぽい下書きを一掃した事をまず皆様に詫びなければならない、マジですまん。余裕で全然アリだったし、なんならめっちゃ面白かった、マジですまん。勿論よく出来た原作故の部分はデカいがちゃんとそこにベテラン監督の自力が乗っているし、綾野剛のキャスティングも絶妙と言わざるを得ない、マジですまん。大抵原作忠実パートは良くてもオリジナルパートが駄々すべりし駄作に陥りがちだが、オリジナルパートも冒険し過ぎずでノイズにならないし、原作では勿論不可能な実際の歌声が乗ることによって聡美君がソプラノでいられる瞬間を狂児に捧げる感動が深まる(だからこそ高音域帯の紅)。その場面で絶対いらないであろうワンカットが挟まれる事や、そもそも他の組員がマジでカス過ぎて狂児が歌ヘタ王になる要素が見当たらないし聡美君が部活サボり過ぎなことなど不満点が無いわけでもないが、後はこれと言って不満点も無いしもっと『どんてん生活』に寄せて90分台だったら余裕で傑作、『リンダ リンダ リンダ』の変奏として観ることも不可能ではあるまい。これは聡美君にとっては子供から大人への成長の話、狂児にとっては生まれた時点で狂った(笑)人生と青春を巻き戻す為の物語、そんな風に上手にまとまっていた。これ絶対ファミレスも行くやろ、むしろ行ってほしい。芳根京子がクッソ可愛い、愛なのよ、愛。劇中に出て来るクラシック映画4本をちゃんと瞬間的にあれだと思えた自分を褒めたい。マジで舐めててすいませんでした。
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