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Jerry & Marge Go Large(原題)のGreenTのレビュー・感想・評価

Jerry & Marge Go Large(原題)(2022年製作の映画)
2.5
慎ましく生きてきた田舎のおじさんが、宝くじで大金を当てるという話です。

ジェリー(ブライアン・クランストン)は、ミシガン州のイヴァートという小さな街で、ケロッグコーンフレーク製造ラインの班長として42年勤めてきたが、生産ラインの廃止に伴ってリタイアメントを余儀なくされる。今や成人した子供たちはリタイアメント祝いにボートをくれるが、ジェリーはまだまだ自分はできるのに、社会の隅に押しやられているような気になる。

毎朝コーヒーを買いに行ってたコンビニに、リタイア後もコーヒーを買いに行くジェリー。店員が他の客にWinFallという宝くじはRolldownの後、ミシガンでは当たる確率が高いと説明しているのを聞く。元々数学や統計に強いジェリーは、ルールを読んで勝率を計算する。すると必ず勝てる抜け穴を見つける。

このルールが良くわからない。Rolldownってのを調べても、「価格のオプションへの乗り換え」「より低い行使」など、なんのことやら解らない。でも、勝つ確率を上げるには数を買わないといけなくて、最初は2000ドル、次は15,000ドルも買う。しかしWinFallの販売機がミシガンに無くなってしまい、一番近いところでマサチューセッツのコンビニに行かなければならなくなる。

ジェリーの妻、マージ(アネット・ベニング)は高校生の時ジェリーに出逢い、以来ずーっと一緒にいて、ジェリーのリタイアメント後やっと二人きりの時を過ごせると楽しみにしていたのに、ジェリーはすっかり落ち込んで何もしたがらなかったので、10時間かけてマサチューセッツまで行って大量のWinFallを買うのを、反対するどころか「一緒にすることができて嬉しい!」と、2人はチームになって、元々十分でなかった老後の資金を増やす。

そうやって、「老後の夫婦の絆を深めた話」なのかと思ったら、そこで止まらない。ジェリーとマージは、年々寂れていく街の復興のため、投資会社を設立し、町の人から資金を募って、WinFallをもっと買って、町の人たちも懐が潤い、壊れたままだった町のコンサート・ホールを復興してコンサートも開いちゃう。

また、WinFallの抜け穴いに気づいたハーバード大学の大学生との小競り合いもあるのだが、自分が一番頭がいいと思って、年寄りを馬鹿にした大学生をコテンパにやっつける。

ジェリーは「ニュートン力学」に基づいて、ツキはいつまでも続かないと判断し、最後の勝負に出ようとするのだが・・・ってところがクライマックスなんだけど、私数学とか弱いから、ここまで観てもRolldownの法則が解らないし、なんで「ニュートン力学」でそう思ったのかも解らない!!

これ実話ベースなんだけど、どこまでが実話なんだか。こうしてグループで大量に宝くじを買うのって別に違法ではないらしく、一人10ドル、20ドルの単位だったら会社でやってる人とかもいるもんね。ジェリーは3か月に一回くらいのペースで10万ドルとかそういう単位勝ってたんだけど、問題ないらしい。ただ、そんな収入が増えるとIRS(国税庁)の監査が入るので、負けた宝くじを証拠として取っておかなければならず、ガレージに負けくじが入った箱が高々と積み上げられていた。

実話は新聞記事がネタらしいので、そんなにドラマチックな話じゃないんだろうなあ。珍しく元ネタが見つからない。多分ミシガンみたいなド田舎に住む、しかもリタイアした年寄りが、実は統計学の天才で、宝くじの抜け穴を見つけました!って話を膨らませたんだと思うのですが、創作としてはB級だなあと思った。「パラマウント+オリジナル・ムービー」って謳われているけど、これって最近よくある「老人向け映画」?最近多くない、こういうの?主人公がかなりの高齢者なやつ。

アネット・ベニングはすっごい老けたね~。いやー、ビックリした。顔変わってたもん。ブライアン・クランストンは『シークレット・ルーム/アイ'ム ホーム 覗く男』のキモいおっさん役が印象に残ってたけど、今回は実直なおじさんの役だった。

『The Office』で有名なレイン・ウィルソンがコンビニの「全く大志のない」店員役で出てていい味出してたけど。
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