ミミック

ストーリー・オブ・フィルム エピソード5. 戦争の爪痕、新たな映画の潮流のミミックのレビュー・感想・評価

-
1939~52年、イタリアネオリアリズモ、フィルムノワール、赤狩り。

ジョン·フォード『駅馬車』ジョン·ウェイン、奥行きを使ったディープフォーカスの発明、同時代に溝口健二も。例オーソン·ウェルズ『市民ケーン』『マルタの鷹』『我等の生涯の最良の年』、ハネケやタルベーラも利用。ワイドスクリーンで人物が横並びの時代からディープフォーカスを経て背景をぼかし手前の人物を浮き立たせるシャローフォーカスへと流行の変化。

戦争の傷跡生々しい40年代、イタリアネオリアリズモは20年代の否定、45~52年がれき映画、『無防備都市』脱演劇、それまでは映さなかった裸電球や便器を映す、デシーカ『自転車泥棒』原因や結果でなくただそこにあるもの。

ハリウッドは影を潜める時期、恋愛映画からフィルムノワールへ、『深夜の告白』拝金主義批判、格子の影はドイツ表現主義的、『過去を逃れて』『三つ数えろ』『リオブラボー』。B級変わり種ジョセフHルイス『拳銃魔』セミドキュメント『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』に影響。『LA.コンフィデンシャル』や『ダークナイト』もノワールの後継作品。

米映画会の赤狩りで映画館を手放しスタジオシステムの崩壊。起死回生ミュージカル『巴里のアメリカ人』ジーンケリー『雨に唄えば』。次第にに憂鬱に。『無分別』検閲への抵抗で別カットを一つに、『いつもふたりで』。

イギリス『天国への階段』戦争×恋愛。

1949年『第三の男』、時代の変化·戦争の傷跡·ドイツ表現主義·詩情·陰影·全て合致した奇跡の作品。


なにも知らずに単体で作品をみるのもよいがこうして時代背景を踏まえた上で再度向き合うと違う見え方が出来る。ジーンケリーの華すげえ。オーソンウェルズの功績はでかいな。昔の作品をみると尚更今の時代の空気を纏った同時代の作品をリアルタイムで見ることの重要性も痛感する。
ミミック

ミミック