ヒデ

我々の父親のヒデのネタバレレビュー・内容・結末

我々の父親(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「ドナルド・クライン医師が生物学的父親だった。…私のきょうだいは何人いるの?」

不妊治療を求める女性に、自分の精子を使って人工授精を行いまくった激ヤバ医師の話。

めちゃくちゃホラーで、"事実は小説よりも奇なり"とはこのことだなと。見つかってるだけで96人の子供がいるのはヤバすぎる。クライン医師を訴えようと団結する被害者(彼の子供)たちが口々に「全てを奪われた」「15回レイプされた気分」「人生最悪の日だ」などと語っていて不憫でならなかったし、法的には訴えられないというのが意味がわからなかった。被害者女性が「人工授精を受ける」という同意書にサインしてしまっていることと、彼自身が強姦をしたわけではない(性的興奮があったかは立証できない)ことがポイントになっているらしく、「DNAが同じだと証明されても起訴できないんだ…」と衝撃を受けた。

彼自身にも幼女を自動車事故で殺してしまった暗い過去があり、それを機に"クイバーフル"という白人の子供を増やしまくることを是とするカルト宗教にハマってしまったという説明を聞いて、奇行に走った原因が理解できた。

SIBLING #○「きょうだい○人目」みたいな感じでどんどん数が増えていく構成も怖い。

≪私はあなたが胎内に宿る前から、あなたを知っていた≫ ── エレミヤ書 1章 第5節
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