masahitotenma

帰れない山のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

帰れない山(2022年製作の映画)
3.8
イタリアの作家パオロ・コニェッティの世界的ベストセラー小説の映画化。
対照的な2人の男の友情と成長を雄大な山岳風景とともに描く。
監督・脚本は、ベルギーのフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲとシャルロッテ・ファンデルメールシュ夫妻の共同。
撮影監督はルーベン・インペンス。
カンヌ国際映画祭審査員賞受賞。
原題:Le otto montagne(2022、147分)

1984年夏。北イタリア、モンテ・ローザ山麓の小さな村。
山を愛する両親(父フィリッポ・ティーミ、母エレナ・リエッティ)と休暇を過ごしていた都会(トリノ)育ちの少年ピエトロ(ルポ・バルビエロ)は、同い年(もうすぐ14歳)で牛飼いをするブルーノ(クリスティアーノ・サッセッラ)に出会う。
対照的な二人だったが、大の仲よしになる。
やがて思春期になったピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置く。
時は流れ、父ジョヴァンニ(フィリッポ・ティーミ)の悲報を受けて村を訪れたピエトロ(ルカ・マリネッリ)は、ブルーノ(アレッサンドロ・ボルギ)と15年ぶりに再会を果たす。
ブルーノはピエトロの父との約束で"バルマ・ドローラ"(「奇妙な岩」)に家を建てるという…。

~他の登場人物~
・山育ちのラーラ(エリザベッタ・マッズッロ)
・ネパール娘アズミ(スラクシュヤ・パンタ)

"父の手帳"

「世界の中心には最も高い山、須弥山(スメール山、しゅみせん)があり、その周りを海、そして8 つの山( THE EIGHT MOUNTAINS)に囲まれている。8つの山すべてに登った者と、須弥山に登った者、どちらがより多くのことを学んだのでしょうか」

「山が俺を傷つけたことはない」

モンテ・ローザ山麓のアオスタ渓谷、ヒマラヤ山脈地方で撮影された美しい山々の映像。
山に生きることの美しさと厳しさ。
かけがえのない友情。
山好きだった父親の秘めたる想い。
山と対峙することは自分の居場所(生きる道)を探すこと。

私はコロナ禍以降ほぼソロ登山になりましたが、複数(親子、家族、友だち…)で登りたくなりますね。
masahitotenma

masahitotenma