ゾロ

帰れない山のゾロのレビュー・感想・評価

帰れない山(2022年製作の映画)
3.5
偉大な山と自然を満喫出来る
大画面で見たかった景観を背景に
描かれるヒューマンドラマだが
 特別な奇跡が起こるでは無い
 感動的な話でも無く
 大成したわけでも無く
 幸せに溢れた物語でも無い
 現実的な二人による友情の話

山を愛する両親と休暇で訪れた山麓の村で
都会育ちのピエトロは、村で生きる同じ歳の
ブルーノと出会い、仲良くなっていく
環境、生活、性格、考え方が対照的で
自分と異なるほど惹かれるのは理解出来る
しかし、ピエトロは思春期に父と山と距離を
置いてしまい、ブルーノとも疎遠になる
二人の再会は父の訃報であり…
約束された再会でもあった…

山を生活基盤にしている事や世界観から
非日常に感じるけど、便利なモノに囲まれない
最も自然な生き方かもしれない

8つの山で構成された世界の例えが面白い
真ん中の高い山の頂上に留まる人
周りの8つの山を移動する人

別の解釈をすると
一つの事を極める人と
移り気な人という見方も
一つの事に固執してしまう人と
様々な事に挑戦する人という見方も
自分の考え方も他人の捉え方も両面がある事
そして、価値観や状況は移ろい変化する…

等身大な登場人物を見ていたからかな?
色んな事を考えながら、鑑賞してた…

○居場所の話
選択肢が多い事、意味を追及する事
排除する事で起こる差別
親指でブロックする世界の縮小化
見えない口撃をする寛容、許容が無い世界

○他人を理解とは
他人への理解を諦めると、分断となり
他人を理解したと思うと、偏見となる

同じ時間を過ごし対話により
問い続ける事が大事

自分の考え方が変わるように
相手の考え方は変わるモノだと知っている事

違う意見は否定からでは無く受容から

○里山資本主義
お金に依存しない生活スタイル

○成功と失敗の尺度
成功と失敗は時間の単位で変わる
その時は失敗でも未来は成功かも?
今は失敗だけど未来の成功につながれば
試行錯誤とも言える
結果、描いた未来では無くても
幸せな時は嘘じゃない
ゾロ

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