イベリー子豚

ヒンターラントのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

ヒンターラント(2021年製作の映画)
3.8
「全編ブルーバックを逆手にとった
逆・進化映像体験型探偵サスペンス」




これはナカナカ。


直近で【ウェス・アンダーソン】くんを
「3Dを2次元に落とし込む天才」なんて
上からレビューしちゃいましたけど

本作は逆に
「どこまでも2Dを3次元に逆輸入する変態」でした。


【エッシャー】の騙し絵や
それこそ【ダリ】のアプローチ、と言えるのかな。


意図の真意は分かりませんが
まるで
「戦争が及ぼす社会と精神への残響」を
反映したかのような「錯覚体験」。


新しいようで
古臭いような不思議なタッチ。


なるほどね。

セットやロケハンに全集中しなくても
イカした映画は作れるんだ。


アクションに特化してませんけど
『シン・シティ』や『ウォッチメン』に通じる
アンダーグラウンドな空気感がたまりません。



でも
肝心のミステリー自体が
「ヒント無さすぎて逆に一本道」というか
「主人公が無能(分かってて見過ごした?)」
だったのは残念でした。


「出兵直前」や「収容所時代」の映像が
一切なかったのも
「物語の深み」ひいては「主人公の苦悩」
「犯人の矜持」に没入出来なかった要因かも。



いやぁ、
それにしても皆さん、『ヴィドック』なんて
マニア&ニッチなフランス映画、
よく覚えらっしゃいますよね~。

僕が高校生の頃ですよ。笑