ダミアン君に恋してる

ノック 終末の訪問者のダミアン君に恋してるのレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.0
あなたは、家族のため、人類のために死ねますか───

そんな投げかけを強要される息苦しい内容。

突然現れた見知らぬ4人の男女。彼らは武器を持っていて…

彼らの目的が明かされるまで「一体なんのこっちゃ!?」状態で宙ぶらりんな気分のまま不穏な空気に襲われて、それが徐々に不安を煽ってくるようになってる構成が上手い。

訪ねて来た方の様子も何か切羽詰まった感じで狂気を感じられて怖かった。

心理戦で観る側を揺さぶってくるのが良い。

信じるか、信じないか。
明確な判断ができないまま、あのシーンを迎えるのも精神的にくる。

これ、舞台劇にしたら案外面白いかもね。

いかんせん、背景にある題材が題材なもので、受け入れられるかは人次第なところがある。

『ストレンジャーズ 戦慄の訪問者』のように、ただの不条理スリラーだったら良かったのになぁと思ってしまう。彼らがそうする理由がない方が私好みだったかも。

現実世界とリンクして思えてシリアスなんだよなぁ。フィクションみが薄く、訴えてくるメッセージが露骨。

ジョークであってもなくてもキツいっすよ…数あるスリラー映画の一本として、有りではあるけど…

犠牲によって気分がどんより。パートナーの愛を試す展開に心抉られるのもイヤ。

『ハプニング』の方が、私は好きかなぁ。

地球(自然界の神)の意思に逆らわないこと。人類や全ての生き物は宇宙に生かされている。世界が滅びる時、私たちに抗う術はない。

これが私の中の答え。

ストーリーに関して思うことは多々あれど、やっぱりシャマラン監督は映画の世界に引き込むのが上手いね!カメラのアングルとか長回しカットとか、ゆっくり人物にフォーカスするのとか面白い撮り方をする。まさに映像マジック!才能があるって伝わってくる。

終盤のカット、あるものにあるものが反射して見えるんだけど、あれすごい良かった。意図的なのかそうじゃないのかは分からないけど、僅かな明るい未来を感じさせるものだと思った。綺麗で救われた気がした。あれが意図的じゃないとしたら、偶然が起こした奇跡だねっ☆