助ベージュ

ゴールデンカムイの助ベージュのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.3
オソマじゃねえ!味噌だ!!

「人気漫画の実写化」「豪華俳優陣(TVドラマ主演系美男美女)」「動物モノ」ひいては「日本映画(大衆向け)」。
ましてや制作情報発表時「鈴木亮平何人必要なんだ?」と懸念された上での「鈴木亮平不在」。
そのどれもが揶揄の槍玉に上がる要素ばかりのハズなのに、
同じく心配されながらも成功を収めた、収め続けた『キングダム(漫画実写)』シリーズのチームによって、安心、その上の「実写化」。

よく言われる「原作再現」と「コスプレ劇」のジレンマ。
「漫画原作ものミュージカル演劇」が2.5次元とすれば、
見事な2.3次元。
漫画特有の荒唐無稽さに説得力のあるキャストの顔力。親和性。
「『ワンピース』の実写化します。青キジ役の松田優作さんです。」級に元々原作キャラのモデルがその人だったかの如き作画(顔)キャスティング。
それにかまけぬ演技・憑依力。
まさに「漫画・アニメから浮き出た」「AI生成」のような完成度。

そして、「原作モノ」抜きでアクション映画としてシンプル大エンタメ。

更に原作由来の「エグさ」もかなり攻めている安心感。
一方をディスるつもりも、そもそも比較するのも野暮だけど『キングダム』の「戦」は、どうしても「敵味方」。「主人公チームが善・敵は悪」がハッキリしている。
反面『ゴールデンカムイ』の大事な要素「日露戦争」。邦画戦争映画でも珍しい程にキレイじゃない肩入れ無しの「生きる為の殺し合い」。
そして終戦直後の「北海道という地」「アイヌ文化」を軸とした、また別の意味の「生きる為の命のやり取り」。

雪景色の「北海道の大自然」の過酷さを、人間もそして動物にも珍しいぐらい容赦なく描く。
勿論CG。わかりやすいCG。とは言えど、エンドロールの「制作にあたり動物に危害は加えていません」必読級に上手く「狩猟」や「熊」を描く。
その「狩猟知識」前提のエグ過ぎるマクガフィン(キーアイテム)。

色々書いたけど、
やっぱり結局日本人は味噌。
ちゃんと「みんな大好き邦画味」。

オソマ(クソ)じゃない!
味噌ジビエだ!!
ヒンナ!ヒンナ!

いい意味で邦画オールスター映画化してきてる『キングダム』シリーズの続きも気になるし、冬しか撮影出来ない、めちゃくちゃ過酷なのは承知だけど、
同じ監督・チームならコッチを優先で続編を観たい!
助ベージュ

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