このレビューはネタバレを含みます
こわい…
スリラー的な怖さよりも異文化の恐怖、理屈が異なる文化圏での常識の捉え方のギャップからくる『普通の市民』の反応のおそろしさ。そういうものが目立つ。
物語の根底にあるのは、宗教思想がもたらす男尊女卑の差別観なのだが、この人はまともと思い込んでた人ですら『えっ!あ〜…そっち…あ〜ほぇー』となるから怖い。奥さんが殺人鬼である夫の犯行を知ってからの反応が作中1番怖かった。
警察の男が家に来て世にも気色悪い理論で迫ってくるシーンと、奥さんの反応がトップかな。
殺人鬼側はあんま悪いことしてるって自覚がないからか隠し方や計画がもうずさんもいいとこで、その結果として奥さん帰宅時に死体処理間に合わずカーペットでまきまき、とかあまりに超現実的な場面が続きハウスジャックビルドみを感じた。
全く止まる気配がないし、これからも続いていきそうな…闇が深い話でした。
意気揚々と父の犯行を英雄視してカメラの前で語りあげく妹ちゃんを死体役に見立てて実演する息子くんのラストシーンが印象的。妹ちゃんの顔ちゃんと見ろ…おまえ!
一個思い返すとじわじわくるのが
犯人が捕まって有罪が出てからの検事と裁判長?たちが『大丈夫、当日こっそり逃してやるから、な?』て囁いてたけど思っきり死刑にされてたのがなんだったんだろう…?て、アレ笑っちゃう。自分が英雄だって信じ切ってる犯人をおだてて最後に突き落とすのは中々趣味が悪くてそれだけにちょい溜飲がさがったけどさ。真顔で内心くすくすしてたのかと思うとあの検事ら性格わるっ!