アルマゲドン・タイム ある日々の肖像
"高潔であれ"
1980 年代のニューヨーク。12歳のポールは、両親と兄の4人で不自由のない生活を送っていたが、クラスの問題児である⿊⼈のジョニーと親しくなったことで、複雑な社会情勢が突きつける理不尽な世界を知ることに。
主人公のポールは反抗期のユダヤ系少年。彼とその家族や黒人少年の物語は、ジェームズ・グレイ監督の自伝的な物語ということでリアルな視点で描かれるが、その味は何ともほろ苦い。
レーガン政権が始まった1980年代を時代背景にしているが、物語はトランプの時代にまで目を向ける。
正直、観た後に気持ちが穏やかになる作品ではないが、自分中心的で思うがままに生きていたポールが、家族やジョニーとの絆や葛藤を通して、社会の不条理を飲み込みながら生きることを学び、この先どう生きていくのか気になるところ。
ポールのすべてを受け止めながらも、人生の厳しさを教える祖父のアーロン。演じたアンソニー・ホプキンスの重厚さが印象に残る。ジェシカ・チャステインがチョイ役で出てきたのにはびっくり。