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逆転のトライアングルのpersimmon1aのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.8
これでもかっ!と現代社会OSとその下で生きもがく個人、そして人間という生き物のそもそものエグ味要素を、ダイレクトに詰め込んでいて、めちゃくちゃ面白かった。

1章の払う払わない問題。彼らは思いっきり言語化してたけど、その実これ皆心の中で思ってたりすることだよな。自分はどんな関係であったとしても、よっぽど何か祝いのオケージョンでもない限り払うのも払われるのも好きではないです。そこから水面下のパワーバランス不均衡の発生に繋がりかねないし。どちらも気持ちいいと思えない。

2章のクルーズ客船。いつかは1度乗ってみたいなと思ってたけど、乗りたくないな笑 いちいちエピソードが面白いのだけど、一番は武器会社のイギリス人夫婦かな。出会うことはないだろうけど、リアルにいるんだろうな、こういう人種。ウケるわ〜。そしてそもそも兵器作って大儲けしてる人って世界中に百まんざらいるんだろうな、と。キャプテンとロシア成金の資本論の会話も面白おかしかったけど、テンポ早くて咀嚼出来なかった。もう1回あのくだりは見たい。

3章の島。ここまでで結構お腹いっぱい感あったんだけど、まだある〜っ!!見てないんだけど、ドラマのLOSTの既視感は多少あった。東南アジアに旅行して市井の人らを眺めてると、よい意味で本当に生にたくましくて、いつも敗北感を感じる。本当の強さってこういうことなんじゃない?と。自分なんて何かあったら知恵もないし、手先の器用さもないし、体力もない。一番先に死んでく部類なのはもう充分分かってる。状況変われば、権力の価値観、物の重要度変わるのは当然。ここまで極端でなくても、現実的にこれまでも結構変わってきている。柔軟に考えられるようになりたい。

ヤヤが亡くなってたのは驚きました。役はともかく、見た目はかなり好きなモデルさんだったんで。
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